地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

07年GW・奥の細鉄 (16) 南部縦貫キハ104

2007-07-09 19:34:22 | 保存・園内・特殊車両


 少々時間が開きましたが、南部縦貫のつづきを (^^;
 南部縦貫最大の名物といえばレールバスのキハ101・102ですが、今回訪れるにあたり内心強烈に期待していたのが、もと国鉄キハ10形改めキハ104の存在です! 1970年代までの鉄道写真を雑誌などで見ると、全国津々浦々のローカル列車でバス窓のキハ10・11・17が活躍していたことをうかがい知ることが出来、他のキハ20系列・23&45系列・30&35系列などとのごちゃごちゃ極まりない混結編成に「うらやましい……」とため息をつくことしきりでした。その中でもとりわけ低い屋根・バス窓・昔気質なデザインの椅子・白熱灯etc..の醸し出す、古くてショボいけど慕わしい存在感といったら……(^_^)。
 そんなキハ10系列の貴重な生き残りであるキハ104について、事前に保存会HPをチェックした際に「エンジン絶不調につき出庫出来ない可能性大」という告知がなされているのを眼にした瞬間、怒濤のようなショックが……。それでも、やはり七戸を訪ねてみたいことには変わりありませんので、取りあえずキハ104については余り期待せずに、レールバスの出庫シーンを眺めていました。
 ところが……やはり天はファンに見方せり!! キハ104が勢い佳く白煙を噴き上げてゆっくりと姿を現した瞬間、思わず「うひょー!! (*^o^*)」と叫びたい気分!! 



 その後はしばらくの間、キハ101と並べられた状態でのんびり・まったり撮影タイム!! 実に都合良くドピーカンの青空と薄曇りが繰り返される空の下、床下までピカピカのキハ104をゆっくりと眺めていると、まさに至福の境地 \(^O^)/ 撮りたいだけ撮りまくって、ちょっと飽きたら駅舎に向かい、供食コーナーで駅全体の雰囲気をボーッと眺めながら小腹を満たしたり、グッズを購入したり……参加者の誰もが心からくつろげる理想の環境がそこにはありました……。
 考えてもみれば、かつては相当数存在したはずのキハ10系列も、まともに現存しているもので思い出せるのは他に、大宮の鉄道博物館入りした茨城交通キハ112 (キハ11 25) と、佐久間レールパークにある茨城交通キハ113 (キハ11 26)、そして加悦レールパークのキハ10 18……といったところでしょうか。このうち、キハ112→鉄道博物館キハ11 25は、きわめて完璧なレストアが実現し、デモ走行の主役となりそうな雰囲気で、以前茨城交通のイベント走行で乗ったことがある私としてもうれしい限り (^o^)。でも、佐久間と加悦の2両はもう動けないものと思われます。それだけに、南部縦貫キハ104には、今後も出来るだけ永きにわたって、僅かでも良いので自走出来る状態を保って欲しいものだ……と思っています。

お召し電車E655系・回送シーン続編

2007-07-07 20:38:00 | JR発足後の車両


 おととい東急車輌からの出場回送が行われた新お召し・VIP輸送用電車E655系……その登場はやはり、久々に堂々とした重量感のある車両の出現ということで、さっそく大きな関心を集めているようです。当ブログも多くの方にご覧頂いているようで、アクセスの急増ぶりには驚かされました (^_^;)。
 そこで続編としまして、田町区のEF65 1000番台が迎えに来て牽引しているシーンをアップしてみましょう。すべて逗子での撮影です。



 1枚目は、専用線の出口でDL (今回はいつもの茅ヶ崎常駐DE11 2000番台ではなく、鶴見線の常連DE10 1556が担当!) からE655系を受け取ったEF65 1104がしずしずと逗子駅ホーム脇の側線へと進入するシーン。異様なほど低速だったのが印象的でした……。
 そして2枚目は側線停車シーン。側線入線前から3番線からの眺めを塞いでいた千葉行が12:40に発車してから、12:43に折り返し君津行が3番線に入線するまで、編成を前と後ろから撮影可能だったのは僅か3分! その直後、12:44にE655系回送列車が発車して行きましたので、あたかも出来るだけ長い時間E217を使って目隠し可能なように、E655系の側線入線と出発を設定したに違いない……と思わずにはいられませんでした (-_-;)。
 というわけで、この停車中は最後尾=E655の先頭車を撮影していないのですが、もし撮影したとしても、ホームに群集する膨大な数の撮り鉄が車体に映り込んでしまい、絵にならなかった可能性が大です。この2枚目のシーンですら、車体には多くの撮り鉄が……(苦笑)。まぁそれだけ、E655の車体表面の光沢はものすごく、人や建物を反射するということで……撮影する場所を選ぶ車両であることは間違いないでしょう。(※2枚目に少々写り込んだホーム上屋はレタッチ時に消しております ^^;)

お召し&VIP用の最高級車両・E655系現る!

2007-07-05 15:33:00 | JR発足後の車両


 かねてからJREより「お召し・VIP輸送用と超高級観光旅行用を兼ねた新型電車1編成を製造する」旨がアナウンスされていましたが、それが具体的にどのような車両であるのかは一切謎のままでした。ふだん新型車両には関心のない私ですが、こと御料車を含む超特別な車両ともなれば話は別。果たしていつ現れるのかを内心秘かに注目しておりました。
 そして……ついに本日、その時がやって参りました。昨日、ネットを巡回していたところ、どうやら今日回送されるらしい旨の事前情報が急増しはじめ、さらにはいつもお世話になっている「あまのじゃく」さんからもお知らせが! 偶然今日は在宅の予定だったことから、こういう千載一遇の機会は逃すべきではない!と思いまして、少々出かけて神武寺と逗子あたりでの輸送の模様を眺めて来ました。
 


 東急車輌を出場する車両を撮影する際の常として、まずは神武寺に行ってみますと……うおぉぉっ! 何だこのとてつもなく重厚な存在感の車両は! 神々しいほどのツヤ光りを放ったダークブラウンの車体は、まさにEF58 61牽引の御料客車編成を受け継ぐ者に相応しい雰囲気が漂います……。具体的な編成は、逗子方から

クモロE654+モロE655+白カバーに覆われた詳細不明の御料車 (菊の紋章はまだついていない? 形式名はサイE655?? または全く独自の皇室用車両番号??)+モロE654+モロE655+クロE654

……となっていました (100番台と200番台あり。詳しい記録は忘れました ^^;)。
 うーん。JREも安っぽい車両ばかりでなく、こういう思わず誰もが圧倒される車両を造ろうと思えば造れるじゃないですか! 是非いずれ観光列車として走る際に乗ってみたいものですが、競争率は思い切り高そうですね。もちろん、その際には御料車は外されて5両編成で走るものと思われます。
 それにしても今日は人出が多かったことに加え、警備がものすごく執拗かつ厳重で疲れました。撮影された皆さん、お疲れさまでした。そして何よりも、正確な情報をお送り頂いた「あまのじゃく」さんに心よりお礼申し上げます! m(_ _)m

07年GW・奥の細鉄 (15) 南部縦貫キハ102

2007-07-04 00:56:26 | 保存・園内・特殊車両


 東急8000系への思いが未だに頭の中をグルグル回っている週の半ばではありますが、消え行く車両あれば、残された車両もあり。さよならばかりが鉄道趣味ではありません。長年にわたって活躍を続けた味のある車両が減ったからこそ、これからは辛うじて生き残った保存車両をめぐり歩くのも悪くないな……と思います。
 そこで、早くも2ヶ月前の話になってしまいましたが (汗)、去る黄金週間の東北紀行の続きとしまして、南部縦貫鉄道・七戸駅でのイベントをご紹介しましょう。
 周知の通り、みちのく北辺の牧歌的な風景の中を走っていた南部縦貫鉄道は1997年に営業を休止し、その後新幹線七戸駅開業にともなう連絡輸送の可能性もあきらめて廃止されたのですが、保存会が立ち上がったこと、そしてタクシー会社として存続している南部縦貫 (株) が保存に全面協力していることから、すべての車両が解体されることなく現存しており、年に1度、黄金週間に保存運転が実施されています。個人的には、南部縦貫の運行当時は遠征資金がなく、さらに非鉄に転じていたため、乗る機会を逃してしまったのですが、それだけにここ数年、このイベントには「行きたい!」という思いが募る一方でした。幸いにして今年ようやく、時間的な都合がとれたため、勇躍として5月3日のファン向け撮影会に参加したという次第です (^_^ →ちなみに4・5日は一般向け運転会につき、撮影場所が大幅規制)。



 十和田市駅を11時過ぎに出るバスに乗って、途中あちこちの集落に寄り道しながら揺られること30数分、まさにロードサイド型店舗に客を取られて時間が止まったような (-_-;) 七戸の街に到着します。バスを降りて、事前にチェックした地図にしたがって南部縦貫の七戸駅に向かいますと……何ともシブ過ぎる本社兼駅舎がお出迎え! グッズ販売や供食コーナーもほのぼのとした雰囲気で準備万端! でも、とりあえずそれらは後回しにして、既に多くのギャラリーが集結している車庫周辺に行ってみますと……ちょうどレールバス・キハ101&102が相次いで出庫し、噴き上がる煙に歓声とシャッター音が鳴り響きました! をを……これこそ古き良きレールバスの姿そのもの! しかも現役当時と全く変わらない良好な状態!! 保存会の皆様の丹念な努力に敬服しつつ、次々に用意される撮影メニューをこなす3時間が始まりました!
 その中でも特にお楽しみなのが、キハ102の撮影用デモ運転! 七戸駅末端の線路が途切れる位置まで数百mを動き、現役当時の沿線風景そのままの林や雑草に囲まれた雰囲気の中でしばし撮影会となりました。一応ここは桜の木があるのですが、残念ながら枯死寸前でチラホラ咲いている程度 (-_-)。むしろ、ようやく淡い芽吹きが始まったばかりの北国の春とレールバスの組み合わせを満喫したという感じです (*^^*)。
 しかし、七戸のイベントはもっと濃いぃ企画が目白押し……続きは改めて!

改めて振り返る東急東横線8039F

2007-07-03 22:25:00 | 大手民鉄 (東急)


 梅雨の合い間の暑い週末を走り抜けた東横線8039Fリバイバル急行……。その姿をPC画面上で繰り返し眺めるにつけ、何とも言いようのない余韻と喪失感がこみ上げ、しばし茫然としてしまいます……。
 そう。東横線沿線に生まれ、8000系とほぼ同じ年齢を重ねてきた三十路人間にとって、それはまさに原風景との永遠の別れを意味しているのです。
 そして早くも1日の夜、8039Fは長津田に回送されてしまったとか……。
 週明けは山のような仕事に追われて、余り記事を書くヒマがないということもあるのですが、心にポッカリと大きな空洞が出来て、新しい話題へと移るにはもう少し時間がかかりそうな気がします。



 そこで今回は、まだアップしていなかった8039Fの画像を蔵出しすることで、しばし皆さんとこの宙ぶらりんな気持ちを共有できればと思います (共有したくないですか。スミマセン ^^;)。
 午後の逆光の中、自由が丘にすべり込んでくる8039F。今も昔も余り変わり映えしない街並みをバックに、東白楽へと勢いよく駆け上がってくる8039F……。そんな、何気ない光景の中をゆくシンプルな造形美と編成美、そして力強い走りが好きでした。
 たぶん8000系引退記念イベント第2弾は歌舞伎HM特急ではないかと予想しているのですが、もう銀色一色の原風景には出会えないでしょう。こうして、すべては移り変わって行くのでしょうね……。