地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

東急長津田工場の主・デワ3043塗装変更!

2007-07-15 20:21:16 | 事業用車両


 琴電シリーズは今後も総力を挙げてお伝えするべくネタを仕込み中ですが、ここらでちょっと閑話休題 (^^;)。
 関東戦前の名車・京急230形は、先日の30形さよなら運転を以て引退となりましたが、そうなりますといよいよ、東急長津田工場で細々と働いているデワ3043 (元デハ3498。車籍は抹消済み) の存在は、古き良き関東の戦前製電車の姿を伝える存在としてこの上なく貴重なものとなってきました。
 そんなデワ3043、最近見に行っていないな……ということを思い出しまして、先日仕事が早い時間に終わったのち、恩田へ寄り道してみましたところ、何と車体が塗り直されたばかりでピカピカ! しかも塗装変更!! これまでのスカ色に近い印象の塗装をやめて、恐らくデヤ7200やこどもの国線Y000系と色を揃えたものと思われますが、これはこれで似合っていると思うのは私だけでしょうか (^^;)。



 ともあれ、屋根や台車回りまで塗り直された姿に興奮を隠しきれず、まずは高台に向かいまして、望遠レンズでサイド気味のアップを狙ってみたところ……何とパンタが上がり、4+4両に分割された東横線5151Fをゆっくりと押したり引いたりし始めました! そういえば、5050系ってこれまで長津田工場に入場したことってありましたっけ……。というわけで、新参者の5050系が超古豪 (でも新塗装でピカピカ) の3450形と連結されるという、これまでになかった長津田工場の新しい光景を期せずして目撃したことになります! 
 ちなみに、デワ3043は屋根と下回りこそ丁寧に塗られていたものの、車体表面の処理は腐食部を完全にパテで整えたわけではなく、やけに凸凹が目立つ仕上げになっていました。しかも、塗装が社紋部分にハミ出しまくり (マスキングはしないのか!と ^^;)。まあ、あくまで庫内車と割り切ったお色直しなのかも知れません。
 こんな感じで、デハ3498改めデワ3043は今後もしばらくひっそりと活躍してくれそうですが、他に戦前製の国内現役電車 (除・路面電車) といえば、上毛デハ101、銚子デハ301 (但しもう実質的にアウト?)、江ノ電303F (これも運用を離脱して久しい模様 T_T)、琴電の古典車両群、一畑デハニ52・53、熊本モハ71……。十本の指で数えて少々余る程度まで減ってしまったのですね……。

ことでん激動の07夏 (2) 30形最後の今橋入庫

2007-07-14 12:07:40 | 地方民鉄 (琴電)


 7月7・8日の2日間にわたった30形のさよなら運転は (台風の予報を見るにつけ、今週末の運転ではなくて本当に良かったです。そもそも瀬戸大橋も渡れない?)、幸いにして狙い通りに乗って撮ることが出来まして、最後の力走を心から味わうことが出来ました。そこで最後はどこで撮ろうか……と思ったのですが、瓦町まで残りあと一駅という最後の花道として、かつ入庫シーンを撮る際の便を考えまして、今橋へ入線するところを後追い撮影してみました。1932年=昭和7年に製造されて以来、かれこれ地道に走り続けること75年! 頑丈で使い勝手の良い優れた電車だからこそ生き永らえることができた京急230形の車生も、あと1駅分を往復するだけで完全に終わるわけで……。蒸し暑い夏の日ながらも、ファインダーを覗き続ける私の心の中に凛として迫ってくるものがありました……。



 瓦町で名残を惜しむ乗り鉄の皆様を降ろした27+28は、間もなくいつものように瓦町から戻り、これまで長年にわたって今橋に入庫する旧型車たちがいつもそうしてきたように、申し訳程度の釣掛サウンドを響かせながら、てきぱきとした要領で入庫して行きました。
 しかし、これはさよなら運転終了後の入庫である以上、余程のことがない限り、もうこの線路を通って出庫することはないのです! 庫内の僅かな距離すら、もう二度と戻らない道……。さよならHMを除けば、余りにもありふれた志度線の日常風景であるだけに、23号が転属まで何らかの理由で動いたりしない限り、これが志度線での旧型車最後の入庫だとはにわかに信じられないものがあります。
 思い出してもみれば、去年の今頃はまだ今橋に計8両の旧型車が所属しており、日中はホーム脇の留置線で多くの旧型車が昼寝をしていたものです……(遠い目)。
 このシーンを撮り終えたあとはいったん瓦町へ戻りまして、地元民で大いに賑わううどん屋で超美味な冷やし天ぷらうどんに舌鼓を打ちまくり! 腹ごしらえを万全に済ませたうえで、午後の撮影会に向かったのでした。

ことでん激動の07夏 (1) 30形さよなら運転

2007-07-13 17:57:16 | 地方民鉄 (琴電)


 長尾線への1300形投入による玉突き転属で志度線も100%冷房化されることになった結果、ついに予備車としての役目も失って廃車されることになった30形・27+28号……。もと京急230形の貴重な生き残りということで、その産業遺産的価値は動態保存が決まった5両と比べても決して見劣りするものではないと思います。片運転台の2両固定編成では動態保存にあたって融通がきかないのでしょうか、それとも保存される5両が余りにも貴重すぎて230形ですら格が下がるためでしょうか? うーん、やむを得ないこととは言え、残念無念ではあります……(それでも、経営再建中の鉄道会社が固定資産税を払ってでも旧型車両を残そうと努力されていること自体は拍手喝采しなければなりません!)。
 そこで発表された30形のさよなら運転&撮影会、7日は仕事があったのですが、8日は何とかなる……というわけで「サンライズ瀬戸」の寝台券をゲット! 勇躍高松に到着し、さよなら列車の入線を控えた瓦町駅志度線ホームに向かいますと……大きなHMを掲げた27+28号が入線!! 恐らく琴電としても、かつて長尾・志度線の一時代を築いた30形に最大限のはなむけをしようということなのでしょう!



 そこでまずは、これまで何度か訪れて撮り慣れた春日川に先回りしまして、入線シーンを撮影! その後すかさず構内踏切を渡って八栗まで乗車しました (どう考えてもパニックになりそうな房前は省略。昨年秋にのんびりと27号に揺られて海を眺めた記憶のままにしておくことに ^_^)。
 この日の基本方針は、時折27号への乗車を織り込みながら、良い駅撮りスポットを早め早めに確保しておくこと (^^;)。八栗での編成写真 (1枚目の画像) は、完全に臨時スジとなる2・3往復目になると交換でカブられてしまうため、志度まで定期スジで運行する1往復目で押さえておく必要がありました。その後屋島で1往復目の上り (2枚目の画像) と2往復目の下りを撮影、大町で折り返してきた上りで今橋まで移動……という感じで撮影と乗車を満喫しました。
 蒸し暑い中、窓を全開にして、川を渡るたびに河口の潮風が車内に飛び込んできて扇風機とともに涼しさをもたらす……。そして、とてもこの日限りとは思えない絶好調の釣掛サウンド……。そんな、古き良き半鋼製電車テイストを、車内の誰もがしみじみと味わっていました。
 個人的にとくに感動したのは何と言っても、これまでの他の琴電車両のさよなら運転では見られなかったような大型のHM! しかも明らかに京急の塗装をイメージしていました……。京急塗装の復活は結局叶いませんでしたが (当たり前か ^^;)、このHMが付いただけでもじゅうぶん、元京急の古豪の引退にふさわしいものだったと思います!
 当日唯一の難点は……窓が全て開いているだけに、窓から体や腕をヤツが複数 (-_-メ)。レタッチで消すのは一苦労でした (爆)。

ことでん激動の07夏 (0) 1300形試運転中!

2007-07-12 10:21:07 | 地方民鉄 (琴電)


 経営再建とサービス改善を積極的に進める琴電は、このたび念願の冷房化率100%達成のために京急から1000形集中冷房車を購入して1300形と名付け、さる6月末に海路高松に到着したのちさっそく試運転を始めております。さる8・9日、約半年ぶりに琴電を訪れ、初日に瓦町から琴平まで乗り通したところ、恐らく「おーい○茶」の広告車両になると思われる1301+1302が試運転を行っているところに遭遇! 営業運転と広告ラッピングを始めれば多分見られなくなる黄緑一色塗装に「ををっ!」と思うと同時に、集中冷房車もついに琴電にやって来る時代になったのだなぁ……としみじみ。そこで、翌9日には改めて琴平線に向かい、貴重な試運転シーンを撮影してみました (^_^)。



 これまで琴電に導入された車両の多くは、搬入直後に試運転を少々行って性能に問題がないと分かるとすぐに営業運転に入っていたようですが、1300形はこれまでとは異なり、旧型車との混結を前提とした改造を行っていないようで (=ほぼ京急時代の性能のまま、連結器など小改造にとどまる?)、そのために時間をかけて習熟運転を実施しているようです。
 それにしても、思い出してもみれば、去年の今頃も九州への出張ついでに高松に寄り道しまして、朝の片原町と今橋で旧型車三昧のひとときを満喫したなぁ……と (ちょっと遠い目)。それから僅か1年。まもなく1300形・2編成が試運転を終えて長尾線に導入されることにより、長尾線の旧型車定期運用が消滅することになります。それだけでなく、長尾線600・700形のうち1編成が余剰となり志度線に転属することから、もと京急230形あらため30形・27+28号は廃車決定、もと近鉄の23号は仏生山に転属予定とされ、志度線から旧型車が完全に消えることになります……。この7月は、まさに琴電の一大転換点だといえましょう!
 そこで今回の訪問では、27+28号のさよなら運転・撮影会をはじめ、各路線のさまざまな車両をめぐる事情をつぶさに記録して来ました。その模様を今後シリーズでアップする予定ですので、どうぞお楽しみに (^_^)。

関鉄キハ30・35の現在 (5) 初夏の旧塗装

2007-07-11 00:19:48 | 地方民鉄 (関鉄系)


 南部縦貫ネタはまだまだ続きますが、国鉄形オールドDCネタつながりで、関鉄で生き残るキハ35の話題を少々 (^_^)。
 ご存じの方もおられることと思いますが、去る6月23日、関東鉄道はダイヤ改正を行いまして、とくに水海道以北から守谷への直通列車が増えたことが大いに目を惹きます。もちろん、これもひとえにTXとの連絡を向上させて、クルマ天国の農村地帯にあって少しでも多くの東京方面往復客を獲得しようとする涙ぐましい努力なわけで、TXが開業してこの夏で約2年、その間に関鉄は一体いくたび試行錯誤のダイヤ改正を繰り返したことでしょうか……。
 もっとも、旧型車両趣味の立場から見た関鉄ダイヤ改正の最大のポイントは、青キハと常総筑波旧塗装のスカ色の運用がどう変わったかということです (^^;)。そして……今回の改正で両者とも運用が減ってしまったのは寂しい限り (-_-)。もっとも、青キハは当初、映画撮影終了後もとの標準塗装に戻すという触れ込みでしたので、今でも3518+3519は青いままであること自体ありがたいことです!
 それでも、検査などの都合であっけなく他の車両に振り替えられる可能性もあるわけで……そんな場合、あくまで個人的な印象ですが、関鉄旧塗装をまとったキハ353+354が充てられることが多いような気がします。



 言うまでもなく関鉄旧塗装はそれ自体貴重なものですが、とくにキハ35の残党がこの塗装を身にまとうことで、キハ30・35の華やか (?) なりし頃をしのぶことが出来るのは何とも痛快なことです。もちろん、関鉄の4連運行はよほどの多客輸送でもない限り廃止されていますので、かつての関西線もかくや……と思わせる光景はもう見られないのですが (-o-)。そんなキハ353+354、先に夏草の中をゆく青キハの話題をご紹介した後、もう一度夏至前の光線のもとで撮りたい……と思いまして夕方の守谷界隈に出かけたところ、見事に青キハは検査中 (爆)、その代わりとして姿を現しました。これがもし関鉄オリジナル車・キハ0・300形でしたらイマイチ役不足でしたが (基本的にはキハ0・300も大好きです。あくまで青キハの代役としての話 ^^;)、関鉄旧塗装ならピンチヒッター上等!! 守谷駅北側ではこの時期でないと撮影しにくい幌つきマスク順光シーンや、したたる緑の中を快走するシーンなどを美味しく撮影しました (*^^*)。
 関鉄の今後の計画によると、今年か来年あたり、さらに2両を新造して体質改善を図るとかで……キハ30・35の今後は予断を許さないことには変わりありません。というわけで、今のうちから出来るだけ日常の姿の記録に励もうと思うのでした。