小金沢ライブラリー

ミステリ感想以外はサイトへ移行しました

オカルト三国志  亡国の前兆

2020年06月22日 | オカルト三国志
「公孫度伝」に曰く。
公孫淵(こうそんえん)の家やその近辺で奇妙なことが次々と起こった。

・頭巾をかぶり赤い着物の犬が屋根の上にいた
・飯を炊くと釜の中で子供が蒸されて死んでいた
・北部の店で生肉を売っていたが長さは数尺(1尺=24cm)もあり、頭と目と口があるが手足が無く、ゆらゆら揺れ動いていた

占わせると「形態はあるのに仕上がらず、肉体はあるのに声が無い。そんな怪物が現れた国は滅亡する」と出た。

238年、魏から独立した公孫淵は間もなく滅ぼされたという。
コメント

オカルト三国志  十にならない

2020年06月14日 | オカルト三国志
「呉録」に曰く。
曹丕が即位すると、孫権は「彼は若く、私より長生きするだろう。これは脅威ではないか」と群臣に尋ねた。
すると闞沢(かんたく)は「十年も経たずに曹丕は死にます。「丕」は分解すれば「不十」となり、これは十にならないという意味です」と述べた。

曹丕は在位6年で病没したという。

※三国志に注釈を付けた裴松之(はいしょうし)は「孫権は曹丕の5歳上なだけなのにこんな心配をするだろうか」とツッコんでいる。
コメント

オカルト三国志  亀の背中は平らになる

2020年06月10日 | オカルト三国志
「江表伝」に曰く。
公安県に不思議な白いワニが現れ、鳴き声をあげた。
その後、「白いワニが鳴く時、亀の背中は平らになる。南郡の城の中にいれば長寿を得られるが、そこにしがみつけば大義が立たぬ」という奇妙な童謡がどこからともなく流行った。

253年、独裁を振るっていた呉の諸葛恪(しょかつかく)が誅殺された。その弟の諸葛融(しょかつゆう)は公安の都督を務めており、そこにも兵が迫った。
諸葛融は金印に付いた亀の形をした取っ手を削り、その金粉を飲んで自害したという。

※南郡の城の下りが良くわからないが、諸葛融は江陵(南郡)の戦いの際に、約束を破り兵を出さなかったため大いに恨まれた。その時約束を守っていたら、兄が誅殺されても自身は許されただろう、という意味か。
コメント

オカルト三国志  霊視

2020年06月03日 | オカルト三国志
「捜神記」に曰く。
孫魯育(そんろいく)は謀叛を企てたと姉の孫魯班(そんろはん)に讒言され処刑された。

孫皓(そんこう)は皇帝に即位すると、自身の父も孫魯班によって死に追いやられたことから、孫魯育に同情し、郊外の丘の墓地に葬られていた彼女を、立派な墓に移そうと考えた。
ところが墓はどれもそっくりで、孫魯育の墓を判別できなかった。
そこで2人の巫女を呼び、口裏を合わせないよう配下に巫女を監視させ、孫魯育の霊を探させた。
しばらくすると巫女らは「三十過ぎの青い衣、紫と白の上着とスカート、赤い履物の女性が見えます。彼女は階段を登ってきて、途中で膝に手を付き大きなため息をつきました。そして一つの墓の前でうろうろし、消えました」と2人とも同じことを話した。
孫魯育が亡くなる前に着ていた服を覚えている者がおり、まず間違いないだろうと墓を開くと、中には巫女の言った通りの服装の女性が葬られていたという。
コメント

オカルト三国志  月と太陽が体内に入る夢

2019年10月24日 | オカルト三国志
「捜神記」に曰く。
孫堅の妻の呉夫人は、長男の孫策を身ごもった時に、月が身体の中に入る夢を見た。
次男の孫権を身ごもった時には太陽が入る夢を見て、どういう意味なのか夫に相談した。
孫堅は「太陽と月は陰と陽の精髄で、最も尊いものの象徴だ。俺の子孫は栄えるに違いない」と喜んだ。

孫堅も優れた武人として名を馳せたが、子の孫策は父をも超え、そして孫権は呉の皇帝となったという。
コメント

オカルト三国志  蘇る士燮

2019年10月13日 | オカルト三国志
「神仙伝」に曰く。
交州を支配していた士燮(ししょう)が病没した。
その3日後、仙人の董奉(とうほう)が遺族を訪ねてきて、丸薬を渡し士燮に飲ませるよう言った。
士燮の口に水と丸薬を含ませ、頭をつかんで揺り動かして飲み込ませた。
しばらくすると士燮は息を吹き返し、半日も経つと動けるようになり、4日後にはしゃべれるようになってすっかり回復したという。

※士燮は三国志に列伝されているが、それほどの大物で(注釈に追記されたこととはいえ)死後に蘇ったと史書に堂々と記されているのは彼だけである。
コメント

オカルト三国志  見知らぬ子供

2019年10月08日 | オカルト三国志
「捜神記」に曰く。
呉の辺境地帯の守備兵たちは、反乱することのないよう妻子を都に人質に取られていた。その子供達は境遇が同じなため仲良く遊ぶことが多かった。

259年3月、彼等のもとへ見知らぬ6~7歳くらいの子供が現れ、一緒に遊んだ。その子にどこから来たのか尋ねると「楽しそうだから一緒に遊びたかった。実は僕は人間ではなく火星なんだ」と言い、「三人のおじさんが耕した後を司馬が行く。これを覚えておいて」と告げた。
驚いた子供達が大人を呼んで来ると、その子は「もうお別れだ」と言って飛び上がり、まるで絹を引き伸ばしたようになって天に昇って行き、消えてしまった。
当時は厳しい政治が行われ、このようなことを報告すれば人心を惑わすとして殺されかねなかったので、誰も外に漏らさなかった。

5年後に蜀が滅び、その翌年に魏が滅びた。21年後に呉も滅び、司馬氏の晋が三国を統一した。
三人(三国)が耕した後に司馬が行くとは、これを表していたという。
コメント

オカルト三国志  石印三郎

2019年10月05日 | オカルト三国志
「江表伝」に曰く。
歴陽県には水辺に岩山があり、高さは百丈(250m)ある。30丈(75m)の所に7つの穴が並んで空いており中は黄色や赤色になっている。これを「石印」と呼び、封印が開かれると天下は泰平になるだろうと言い伝えられていた。
また岩山には祠があり、そこの巫女は石印三郎(せきいんさんろう)という神が住んでいると言った。

276年、封印が開き、皇帝の孫皓(そんこう)は使者を送った。巫女は「石印三郎は天下が泰平になると告げた」と言い、使者が石印を調べたが、特に神託はなかった。
使者は(手ぶらで帰ったら殺されるため?)適当にありもしない文字を20字ほど石印に書きつけ、それを報告した。
孫皓は「私が天下を泰平させる証だ」と大喜びし、石印三郎に王位を与え、(ありもしない)神託の文字を石碑にしたという。
コメント

オカルト三国志  松の木が生える夢

2019年09月29日 | オカルト三国志
「孫皓伝」に曰く。
250年、呉の丁固(ていこ)は松の木が腹の上に生える夢を見た。
「松という字は「十八公」と分解できる。これは18年後に公の地位に上るという意味だ」と自ら読み解いた。
268年、予言通りに丁固は三公の位に上ったという。
コメント

オカルト三国志  見えない神様

2019年09月26日 | オカルト三国志
「孫権伝」に曰く。
王表(おうひょう)という目に見えないが話をし、飲食もする神がおり、紡績(ぼうせき)という巫女が仕えていた。
李崇(りすう)は王表を招き、何人もが議論を挑んだが、誰も言い負かせなかった。
皇帝の孫権は王表のために屋敷を建ててやり、しばしば酒食を届けさせた。王表は日照りや水害などの小さな出来事を予言し、よく的中させた。

252年、孫権が危篤に陥り、群臣は病気の平癒をするよう願い出たが、王表は逃亡したという。
コメント