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ミステリ感想-『亜愛一郎の逃亡』泡坂妻夫

2001年06月15日 | ミステリ感想
~収録作品~
赤島砂上
球形の楽園
歯痛の思い出
双頭の蛸
飯鉢山山腹
赤の賛歌
火事酒屋
亜愛一郎の逃亡


~感想~
『赤島砂上』
展開はそのまますぎたが、おまけの宝探しが冴える。

『球形の楽園』
これって……(見当のついた方だけネタバレ→)『三毛猫ホームズの推理』赤川次郎著 のトリックとまんま同じやん。

『歯痛の思い出』
妄想さながらの論理。こんなこと普通、思いつかん。

『双頭の蛸』
謎の設定が珍しく解りづらい。まあ、明確にすると犯人が一人になるけど。

『飯鉢山山腹』
これはどこに謎があるのか明白すぎる。

『赤の賛歌』
これも妄想。言葉遊びが実に楽しい。

『火事酒屋』
本領発揮。最後の詰めとなる手がかりが、序盤から一見なんの関わりもなさそうに示されているのが、巧みすぎる。

『亜愛一郎の逃亡』
田中芳樹のおかげで台無し。とはいえ、まさに大団円の大集結には感嘆。ここまでやるか。


~総括~
蛍の光、窓の雪。おなごりおしき名・迷・銘探偵。至福の時は二度と帰らぬのか?
他では味わえない「亜愛一郎」の物語も、これにて劇・終。


01.6.15
評価:★★★☆ 7
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