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ミステリ感想-『動かぬ証拠』蘇部健一

2001年06月20日 | ミステリ感想
~概要と収録作品~
最終ページに一枚の絵を配し、その絵が事件の真相となっている異色の短編集。

しゃべりすぎの凶器
逃亡者~片腕の男
黒のフェラーリ
天使の証言
転校生は宇宙人
宿敵
宇宙からのメッセージ
逆転無罪
リターン・エース
再会
変化する証拠


~感想~
『しゃべりすぎの凶器』
設定だけで3ページでオチがわかった。

『逃亡者~片腕の男』
破壊力がいまひとつ。

『黒のフェラーリ』
これもいまひとつ。

『天使の証言』
伏線は見え見えだが、うまい。

『転校生は宇宙人』
作者がようやく絵の使い方をわかってきたようだ。……ってかこのタイトルはなに?

『宿敵』
犯人あ然としただろうなあ……。あと、どうして指が一本多いのだろう。

『宇宙からのメッセージ』
あの定番の題材には、こんな趣向もあるのか。いや、ないよな。

『逆転無罪』
最高。絵1つで全てを表すという設定をついに活かしきった。仕掛けがわかったとたん、思わず突っ伏して爆笑した傑作。いいなあ、これ。

『リターン・エース』
犯人が気づきそうなものだけども。

『再会』
これもいい。皮肉が利いている。

『変化する証拠』
まさかダイイング・メッセージ講義を始めるとは思わなかった。というか、蘇部氏がそんなにミステリ好きとは思わなかった。


~総括~
シリーズ化して欲しい。他の作家にもやってもらいたい。と思うほどの素晴らしいアイデア。
この人なにやるか解らんなあ~。


01.6.20
評価:★★★☆ 7
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