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ミステリ感想-『ネジ式ザゼツキー』島田荘司

2004年03月13日 | ミステリ感想
~あらすじ~
記憶の一部を失った男が書いた奇妙な童話『タンジール蜜柑共和国への帰還』。
蜜柑の樹の上にある村、ネジ式の関節を持つ妖精、人工筋肉で羽ばたく飛行機。
夢物語としか思えない男の話から、御手洗潔が導きだした驚愕の真相とは?
本ミス10位


~感想~
『眩暈』、再び。
年齢をかぞえ上げるのは愚かだが、この御年でここまでの稚気に富んだ物語を紡ぎ、謎を編みトリックを施せるのが氏のすごさ。ここにまごうかたなき奇想と、ミステリの過去・現在・未来がある。
(ネタバレ→)ちょっと気になったのが、組み方の相違。タテ組みが幻想パートで横組みが現実パートに思えるのだが、そうすると解決部分がタテ組みになっているのはどういうことだろうか? あのいかにも氏らしい、大団円の結末が幻想だとすると……。以上、妄想でした。


04.3.13
評価:★★★★★ 10
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