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ミステリ感想-『法廷遊戯』五十嵐律人

2024年09月17日 | ミステリ感想
~あらすじ~
法科大学院で行われていた模擬裁判の無辜ゲーム。
久我清義は過去を暴かれ、復讐者の影がつきまとう。
卒業後、弁護士となった清義のもとに久々の開催が持ちかけられるが、模擬裁判場では旧友が殺されていた。
容疑者となったのもかつての無辜ゲームの関係者。清義はその弁護を引き受ける。

2020年メフィスト賞、このミス4位、文春4位、本ミス9位


~感想~
大学時代の逆転裁判的ゲームからシームレスに弁護士時代へ移行し、主要3キャラのうち1人が死亡し1人が容疑者、残る1人がその弁護士を務めるという激熱の展開が最高。
新人離れしたストーリーテリングで調査が進むごとに事態はどんどん悪化し、有罪・無罪どちらにしろ完全に詰みに追い込まれるのもお見事で、そこから逆転裁判的に決定的証拠で真相が明かされるが、それだけに留まらない結末を迎える。
正直収まるべきところに都合よく収まりすぎて、法廷での最終決戦前の盛り上がりは超えられなかったが、早々に実写映画化・マンガ化と他メディアに展開したのも納得の、デビュー作としては破格の非常によくできた良作である。


24.9.17
評価:★★★★ 8
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