~あらすじ~
呉美由紀の通う学校や周辺の民家に現れた、男だけを標的とする覗き魔。
中禅寺敦子が益田龍一から聞いた、まるで河童に襲われたような連続水死事件。
美由紀が夏休みに訪れた伯母の住む街で、二つの事件は交錯する。
~感想~
前作「鬼」はあくまで百鬼夜行シリーズ外伝・ライト版の趣だったが、本作はだいぶクオリティが本編に近付いてきた。文庫本で363ページと普通に長編の分量で、奇妙な事件は連続し、妖怪談義が美由紀たちの他愛もない雑談から、多々良勝五郎の専門知識まで硬軟取り混ぜてふんだんにちりばめられと、全盛期の百鬼夜行シリーズを思い出させてくれる。
事件の様相はレンガ本を363ページに圧縮した分だけ複雑だが、最後まで読めばきちんとまとまり理解でき、大胆不敵なトリックと、全てが解決してなお「河童」が現れる、まさにあの頃のシリーズの風格が味わえた。
前作で突如として披露された、京極堂の憑物落としや、榎木津の妖怪退治に続く例のあの人のキレ芸こそ控え目だが、しっかりと要所を締めてくれるのでやはり見どころである。
まさかの三ヶ月連続刊行の続く「天狗」はさらにクオリティが上がっているそうなので非常に楽しみだ。
21.3.17
評価:★★★☆ 7
呉美由紀の通う学校や周辺の民家に現れた、男だけを標的とする覗き魔。
中禅寺敦子が益田龍一から聞いた、まるで河童に襲われたような連続水死事件。
美由紀が夏休みに訪れた伯母の住む街で、二つの事件は交錯する。
~感想~
前作「鬼」はあくまで百鬼夜行シリーズ外伝・ライト版の趣だったが、本作はだいぶクオリティが本編に近付いてきた。文庫本で363ページと普通に長編の分量で、奇妙な事件は連続し、妖怪談義が美由紀たちの他愛もない雑談から、多々良勝五郎の専門知識まで硬軟取り混ぜてふんだんにちりばめられと、全盛期の百鬼夜行シリーズを思い出させてくれる。
事件の様相はレンガ本を363ページに圧縮した分だけ複雑だが、最後まで読めばきちんとまとまり理解でき、大胆不敵なトリックと、全てが解決してなお「河童」が現れる、まさにあの頃のシリーズの風格が味わえた。
前作で突如として披露された、京極堂の憑物落としや、榎木津の妖怪退治に続く例のあの人のキレ芸こそ控え目だが、しっかりと要所を締めてくれるのでやはり見どころである。
まさかの三ヶ月連続刊行の続く「天狗」はさらにクオリティが上がっているそうなので非常に楽しみだ。
21.3.17
評価:★★★☆ 7
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