小金沢ライブラリー

ミステリ感想以外はサイトへ移行しました

ミステリ感想-『キン肉マン悪魔超人熱海旅行殺人事件』ゆでたまご・おぎぬまX

2024年08月01日 | ミステリ感想
~あらすじ~
知の渇望者を名乗る謎の存在が「知の惨劇」をミートとキン骨マンに予告。
再び始まろうとする超人殺人を止めるべく二人はタッグを組み頭脳で戦いを挑む。


~感想~
前作「四次元殺法殺人事件」がキン肉マンと本格ミステリの悪魔合体にこの上ない形で成功した傑作で、その待望の続編が本当に、しかもこんなにも早く現れてくれるとは!
しかもしかもミステリとして前作をも上回る出来栄えなのには驚かされた。
短編4作にいずれも読者への挑戦とヒントが付けられ、重度の肉ファンならば考えれば思いつきそうな線を絶妙についてくる。もちろん作中で事前に語られない重度の肉ファンしか知らない設定が解決編で急に飛び出してくるが、こんなの重度の肉ファンしか読まないので全く問題ない。
そのトリックがもういわゆるバカミスながら考え抜かれた代物ばかりで、解決編では感心させられることしきり。
さらに仲良く熱海旅行する悪魔超人、蹴り飛ばした椅子に座るラーメンマン、オープンカーに乗ってくるバッファローマンなどなど肉ファンにはたまらない小ネタも満載。原作で1コマしか乗ってないバッファローマンのオープンカーよく覚えてたなww
全ての決着をリングでつける肉世界でなぜ超人殺人が起こるのか、前作とはまた違う理由を持ってきた上にあくまで原作に書かれていることで理由付けして見せたのも本当にお見事。
3作目も当然あるだろうし期待はうなぎ上りである。

そしてもちろん今回もネタバレ感想を書かずにはいられない。キン肉マン本編のネタバレも多数あるので読んでくれるならご注意を → ネタバレ感想へ


24.8.1
評価:★★★★☆ 9
コメント    この記事についてブログを書く
« ミステリ感想-『十二人の死... | トップ | 8月の新刊情報 »

コメントを投稿