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ミステリ感想-『スコッチ・ゲーム』西澤保彦

2024年03月14日 | ミステリ感想
~あらすじ~
高瀬千帆はルームメイトで恋人の鞆呂木恵を殺され、その後も周囲で同様の手口の犯行が相次ぐ。
傷心のまま地元を離れ、安槻大学に進学した彼女はタックらに出会い、そして謎は解かれる。
タカチの高校時代を描いたタックシリーズ長編。


~感想~
大昔に読んだから内容を忘れただけと思っていたら普通に読んでなかったシリーズ長編。この後の「依存」「身代わり」を先に読んでしまった。
しかしタカチの過去が「依存」でほのめかされていたほど重くもなければ、恋人のはずの恵への思い入れも至って薄く、正直拍子抜けした。「依存」のタックの過去が重すぎるせいでもあるが。
例によってわけのわからない独自のジェンダー論(なのかどうかすらもはやわからない)が語られまくるが、中でも「男のナルシシズム」がもうむちゃくちゃで、論旨もさることながら終わってみれば真相に説得力を持たせるためだけに存在していて、なんともはやである。
ミステリとしては特に動機が酷く、そりゃ動機が無いよりはあった方が良いに決まってるが、あれば良いというものでもないと言っておきたい。
総じて(例によって)シリーズファンならこの先何度もほのめかされるタカチの過去が明かされるので必読ながら、内容にはさほど期待しない方が吉である。
…それにしてもSFミステリを読んでた頃には思いもしなかったが、さては長編下手だな?


23.3.14
評価:★★ 4
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