小金沢ライブラリー

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ミステリ感想-『館という名の楽園で』歌野晶午

2002年08月17日 | ミステリ感想
~あらすじ~
「奇妙な殺人事件は、奇妙な構造の館で起こるのが定説です」
西洋館の主は、四人の招待客に、それぞれが殺人者、被害者、探偵役になって行う
『殺人トリック・ゲーム』の開催を提案する。
時空を超えて幽霊のごとく現れる奇怪な現象、謎、そして最後に待ち受ける悲劇とは?


~感想~
こんな細工、こんな設定以外では使いようがない。『生存者、一名』程の切れ味はないが、よくできた佳作。
中編ならではのトリックを仕掛けてくれる。


02.8.17
評価:★★☆ 5
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ミステリ感想-『樹海伝説』折原一

2002年08月17日 | ミステリ感想
~あらすじ~
湖畔の樹海に棲む一家の主が、家族を斧で惨殺し失踪。
数年後、事件を究明するため、若者が一人で森に分け入り遭難。
そして今、若者が遺した克明な手記『遭難記―魔の森の調査報告書』を片手に、男女二人の大学生が樹海に足を踏み入れる。


~感想~
問題外すれすれ。
見事な解決も驚愕の真相も全くない、退屈きわまりないもの。
期待はずれ甚だしい。文章も本気を出した時の実力を知っているだけに、あまりに手を抜きすぎ。


02.8.17
評価:なし 0
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ミステリ感想-『まほろ市の殺人春 無節操な死人』倉知淳

2002年08月17日 | ミステリ感想
~あらすじ~
「人を殺したかも知れない……」美波はカノコから電話を受けた。
七階の部屋をのぞいていた男をモップでベランダから突き落としてしまったのだ。
ところが地上にはなんの痕跡もない。翌日、警察が鑑識を連れ訪れる。
なんと、カノコが突き落とした男は、それ以前に殺され、真幌川に捨てられていたのだ。


~感想~
ものすごく豪快なトリックは、もはやギャグとしか思えない。伏線の妙にも舌を巻く。
青春小説のような体裁で、ヘンに似合わない、安っぽい描写をしているのがなんとももったいない。
ただのトリック一本で見れば、とんでもない作品なのだが。


02.8.17
評価:★★☆ 5
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