トランプ大統領のメキシコとのやり方を見ているとすっかり手の内をさらけ出しているようだ。不動産屋時代のかなり乱暴なやり方をね。
まず公の場で相手を居丈高に脅かす。うまく行かなくてもしれっとしている。そうして裏で電話なんかで話し込んで話をまとめようとする。これをよく覚えておくことだ。大体二国間でやるなら交渉前にツイッターなんかで第三者、全世界に発信することはない。普通の人はこういう支離滅裂なことはしない。
悪徳不動産屋の世界では最初にべらぼうな値段を吹っかけて、すぐに値引きをする。といっても相場より安くなる訳ではない。しかし相手は最初の言い値にびっくりしているから、すごく安くなったと勘違いする。日本との外交でこれが通用すると思わせては行けない。
安倍さん一人でこの狂牛を捌ける訳ではない。官邸、ブレーン、外務省官僚のチームがしっかりしていなければいけない。このうち外務官僚は全く当てにならない。むしろ日本の方針を相手にご注進する可能性がある。またブレーンにも気をつけないといけない。所謂保守派でアメリカ通といわれる連中はワシントンのご用聞きのようなヤツが多い。選別には知恵を働かせる必要がある。いつものお決まりの顔ではだめだ。
この狂牛をあの腰巻きみたいな赤い布切れ(あれはなんというのかね)で興奮させ自分に突進して来た所でさっと身をかわす。そして中国というゴミ屋敷に突っ込ませるのだ。
トランプの悪徳不動産屋的なやり口ではまず弱そうなところから攻撃する。メキシコなんかがそうだろう。彼の発言の経緯をみていると、最初はもっぱら中国を攻撃していたが、大統領就任前後から日本に矛先を向けて来た。日本の方が御しやすい、脅かしやすいと思ったのだろう。なめられてはいけない。
日本は彼の中国に対する貿易方針が最初に彼が言っていたような強烈なものに現実になるのかを見極めるまでは本格的な交渉をすべきではない。すなわちトランプが中国からの輸入品に一律45パーセントの関税を課し、中国を為替操作国と断定して制裁的措置をそるまで日本はアメリカと本格的な交渉をすべきではない。
来月安倍さんはワシントンに行くようだが、深入りしない方が良い。「やあやあワシントンもゴルフをするにはまだ寒いね」ぐらい言っておけばよい。
とにかく最低でも半年は様子を見た方が良い。慌てると相手の思うつぼにはまる。しばらくはメキシコ、中国、欧州、ロシアなどとトランプがどのような交渉をするか、とくにその交渉術、やり方を研究したほうがよい。