東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

核兵器は貧者の武器である

2017-08-22 07:04:39 | 朝鮮情勢

北朝鮮がしきりにアメリカを非難して核戦争を引き起こそうとしているという。笑止というほかはない。いまや核兵器は貧者の武器になりさがっている。貧窮家庭が一点豪華主義で50インチのテレビを六畳一間のあばら家に飾っているようなものだ。

 アメリカは何も言わないが、北朝鮮と交戦状態になっても核兵器を使わないだろう。もっと効率よく使える通常兵器を豊富に持っている。東西冷戦時代なら核兵器は戦略の中心であったが、冷戦終結後は通常兵器の多様化、強力化がアメリカの戦略である。アメリカの核戦略が発動されるのは大国同士の戦争しかない。そしていまやその可能性は極めて低い。

 なぜアメリカが大量の核兵器をいまでも保有しているかといえば、原子力発電と同じで核物質の地球上での廃棄というのは不可能といっていいほど厄介である。持っているしかないだけである。

 通常兵器だけの交戦で数時間のうちに北朝鮮は完全に制圧されることは間違いない。だた完璧とはいかない可能性がある。撃ち漏らしがあると、部分的な反撃を受ける可能性がある。部分的と言っても当事者にとっては大問題だからね。それでアメリカは慎重に戦術を練っているのだろう。

 北朝鮮にはアメリカの通常兵器に対抗できる武力はない。かって化学兵器が貧者の核兵器と言われたことがある。いまや核兵器そのものが貧者の一点豪華主義の象徴となっている。