そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

オバマと中曽根弘文の提案

2009-05-04 | 政治と金

オバマ大統領がプラハで核兵器の廃絶への演説を行った。自らが唯一の核兵器使用国家であPhotoる反省と、核兵器廃絶への提案である。唯一の被爆国である日本政府は、この提案に戸惑うばかり で、広島、長崎市が反応した程度であった。

中曽根外相が5月27日に都内で「ゼロへの条件-世界軍縮への11の指標」と題する、演説を行った。軍縮への提案であるから、このことは大いに評価しなければならない。しかし、オバマの演説とは明らかに内容が陳腐であり、空論に近い。

オバマの提案も、実現には相当な時間がかかると思われる空論に近いが、最大の核保有国である当事者であることを考えると、どんな形にせよいずれ具体的に動くことになる。そうした意味での評価は当然あっていいと思われる。むろん背景には財政事情と、相対的なアメリカの地位の低下に加えて、テロリストへ核が渡ることの憂慮があることは否定できない。

日本の外相の提案は、核保有国に対しては、米ロへは大いに核拡散への対応を評価するな01どして持ち上げ、英仏へは透明性があり優等生であるとし、中国へは核開発計画を隠していると批判している。インドとパキスタンや北朝鮮に対しては、核兵器の抑止力を認め、安全保障が論議されるとしている。

現実に日本が、アメリカの核の傘の中にあり、核の抑止力も認めている。こうした矛盾を抱えたまま、事情の異なる国家へ説得力を持つというのだろうか。中曽根外相の論旨は、核軍縮と核の平和利用から成り立っている。平和利用と軍事利用は技術的には紙一重である。事実、中国や北朝鮮それに韓国までが、日本はいつでも核兵器を持てる国だと思っている。

河村官房長官の、オバマ演説へのコメントも「日本には非核三原則がある」とする、極めて消極的な内容であった。外相も官房長官も、平和憲法を持つ日本こそが、世界へ向けて軍縮を提案できる、などとは一言も発言はない。外相演説も、オバマ演説を受けてほとんど唯一、日本の政府が態度を見せたのが、今回の中曽根外相の演説である。何とも情けない、平和憲法国家の政府である。

左に<春を待つ知床>をアップしました。

コメント (2)
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