そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

開発局の汚い手法

2009-05-10 | 政治と金

根室管内で2番目の長い川である、標津川の蛇行を復元させるとする、まるで以前のような河川に戻させるような事業がある。全長80キロほどの河川は、河口から30キロほどの蛇行は、見事にショウトカットされている。

この辺りは、かつてはほとんどが遊水池を河川の周辺まで広げ、 見事な蛇行を080727_6見せいていたところである。特に武佐川と交わる辺りは、高・中層湿原であったが、国営事業で農地にしてしまった。1000ヘクタールを超えるこの、遊水池だったところを強引に改良して作られた農地は十分な草地にもならず、昨年移管されていた中標津町も標津も町も放棄した。

河口からわずかに上の部分の一部の蛇行を復元する開発局の提案を支持したのが、魚が好きな連中である。開発はさらに、花が好きだったり鳥が好きな地元の人たちを巻き込んで、事業の展開を行った。

結局、この蛇行復元計画の総事業費は43億円である。蛇行を復元するとしているところは、わずか1キロに満たないところである。水たまりになっている旧河川に、直線化し遊水池を装071211_15置に変えて勢いの増した本流につなげようとするのである。

地元の川を知る人たちは立ち上がり反対運動を行った。署名し嘆願書を国土省に提出している。これを理由に、開発局はどうやら蛇行復元は放棄するようである。それではこの事業は中止になるかと言うとそうはならない。洪水対策と当初から主張していたが、引提を、遺跡がある外に作るとのことである。

この事業の43億円のほとんどは、この引堤に使われることになっている。もともと、蛇行復元などどうでもいいことである。環境を守るしぐさのためのポーズあるいはお題目に過ぎない。

洪水対策と主張する、引堤は500年ほど前の遺跡の外である。洪水は遺跡を越えて起きるとは思えない。まるで不要の引堤である。当初から、反対運動に難色を抱く地元の人たちの思いは、共通していた。反対すると事業が来なくなるのである。そこでとりあえず、自然を復元さすという、どうでもいいが今の時代に受けるプラカードを掲げたのである。我々の反対運動のおかげで、蛇行復元できなくなったことにすれば、堂々と引堤だけを作ることができる。

実にうまくできたシナリオである。ところで、当初からこの事業を持ち上げていた、魚が好きだった研究者たちの姿は今はない。単に利用されただけである。環境問題に最も危険な連中である。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

羅臼港

春誓い羅臼港