普天間問題で、あちこちにいい顔見せていた、鳩山由起夫首相であるがとうとう追いつめられた模様である。だれもが喜ぶ移転案など存在しない。全ての地域と、団体が移転反対を表明している。ベストもベターもない。必ずバッドな人たちがでる。
宰相たる者は、誰かを悪者にしてまでもやらなければならないことがある。彼にはそうした裁量がない。徒にもったいぶらせて引きずっているだけである。自らの発言した内容で、アメリカと交渉して国内の基地をなくすべきなのである。
昨年、コペンハーゲンのCOP15の会場でオバマ首相と隣り合わせになった。夕食の席で「トラストミー」とか言って、信用して貰ったと喜んでいたが今回同じことが起きそうである。
12日の「核安全サミット」の夕食の席で、鳩山首相はオバマの隣に座らせて貰うことになった。会談を申し込んでいたが、これは断られた。現行案を建前上とはいえ譲ることにないアメリカにしてみると、動くことのできない日本と会談など意味がない富田のであろう。
夕食の席で隣になったから、日本に命運が開けるなどなどと思っているとしたら大間違いである。佐藤栄作は沖縄返還のために全くぶれることなかった。そのためには、容認するわけではないが、密約までやったのである。普天間問題に関してみると、日本の現在の不幸は、あちこちにペコペコする首相を抱いていることである。ぶれることは、最もやってはならないことである。
間違った判断でも突き進むことで、間違いをいつでも訂正できる。判断を揺らすことで、結果として選択したことを何度もためらうことになり次への選択が生じなくなる。
亀井静香が良い例である。結果として彼は、郵政会社の社長に天下りを据え、モラトリアムを実行し、郵便事業の上限を2000万円に引き上げた。鳩山にはそうした下品なことができないのであろう。
結局は、鳩山は普天間の移転の決断ができずに退任することになるであろう。