政権就任後100日を越えたが、表では安全運転ばかりの野田佳彦であるが、どうやらとりあえずの先送りばかりの限界が来たようである。
腹の中に本音としてあった、大連立を意識して、野党にも声かけるようなことを言ってはいたが、ほとんど無視されている。それより、党内では小沢がほぼ謹慎中であることを良いことに、ほとんど党内調整のないまま走り出している。表向き走ってもいないところが、菅よりたちが悪い。
TPPも、菅以上に取りまとめることが出来ない。母校の早稲田大学やオバマには発言してみても、党内ではほとんど意思表明すらできない。
党首選では、消費税増税を唯一唱えた代表として際立っていたが、これもTPPと同じである。G20では国際公約ともいえる発言をしてみたものの、党内はもちろんのこと、自民党も乗ってこない。これは自民党の指摘が正しい。増税以外のビジョンが見えないのである。
増税は、来年あるかもしれない総選挙にとって、マイナスにしかならない。逆風の民主党の一般議員は抵抗するのは当たり前である。それも、増税の前にあるいは同時に取り組まなかければならないことも、はっきり見えてこない。
もっと悲惨なのは、税と社会保障の一体改革である。簡単には社会保障のために増税することであるが、ここでも増税以外はっきりと見えない。その増税についても、増税以外は見えていない。いつからどんな形で、上げ幅とか段階的にとか品目などが、いまだドジョウ君の頭の中である。
国会運営も、参議院で問責決議を受けた小沢派の一川・山岡両大臣を巡って、自民党の協力はもらえない。小沢は、消費税を巡って党内の反対勢力をまとめにかかっている。死にたいとはいえ、党内外に大きな人脈を持つ小沢の出方で、官僚に後押しを受けているとはいえ、消費税でとん挫する可能性すらある。
そういえば「コンクリートから人へ」とは、今や懐かしい言葉になりましたが、この政党が掲げ国民の支持をもらったはずです。その象徴、中止を高々と謳った八ツ場ダムも、単なる先送りで終わりそうである。
一見低姿勢に見え時間稼ぎのドジョウ君であるが、これをしたたかとみるか八方ふさがりとみるか、今後の結果で評価するしかないが、どうも後者のように見えてならない。
結局この内閣も短命に終わるのであろうか。日本の政治は混迷からいまだ抜け出さずにいる。
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