アメリカ上下両院の軍事院会は、2012年の米海兵隊の、グアム移転予算の全額削除に合意した。これは、普天間基地の移転が目処が立っていないための、アメリカの対応である。
菅首相以降の日本政府は、これまで機会ある毎に、普天間移転の日米合意は守るとアメリカに告げてきた。
その日米合意は、民主党が批判し続けていた、自民党案とほぼ同じで ある。移転に関してはそれ以下である。
ところが、国内では全く進展していない。仲井真知事は、普天間はまるで東京のど真ん中にあるような、危険な基地であると発言している。沖縄は硬直していくばかりである。政府の要人が何度も訪れて、日米合意を振りかざす度に、空虚な言葉が飛び交う。
今度のアメリカの判断は正しい。政府は、年度内に「環境影響評価書」を提出すると、アメリカ側に伝えている。提出すると、沖縄はこぞって硬化すること間違いない。
野田政権は、こんな単純な理屈に判断が下せないのである。
そもそも、選挙で最低でも県外移転を公約して、沖縄から絶大なる支持を貰った民主党である。それが、知りませんでした、アメリカに従いますと、急変心した鳩山お坊ちゃまの発言で、日米合意をしたのである。公約って何だっけ?
天下の公党が嘘ついたのである。いまさら沖縄を説得などできるわけない。政府は、ご理解いただくために、お金をばら撒きますを何度言っても、沖縄から信用してもらえるはずもない。そういえば、オバマに下手くそな英語で、お坊ちゃまは「私を信じてくれ」と、宴会の席でほんの一瞬言ったそうである。
約束したことを知りませんでしたと平気で裏切り、まるで何もなかったように振る舞い、だめといった案に乗ってしまい、支持してくれた人たちから”怒”という札を突きつけられて、一人で合意案を作り、一人で環境評価書を提出し、アメリカには全く信用されずにいる。
ドタバタを通り越して、笑い話としか思えない。まるで落語のような普天間基地移転噺である。