野田政権は、来年度の沖縄振興予算(案)として、2937億円を決めた。沖縄が要求していた、3000億円満額の回答で、昨年度比27%増である。このうち、野田が首相の裁量として盛られたのが、773億円である。
その内、沖縄が自由に使える一括交付金が、1575億円である。ほぼ半額が自由に使える。これは普天間への侘び金である。
これを受けて、要求額が通った大喜びの仲井間知事は、普天間移転に関する環境影響評価書(アセスメント)について、「行政手続なので、関連法にのとってやるしかない」と発言している。
良く解らない官僚用語であるが、「政府がアセスやっても文句は言いません」と、言う意味である。冷え切った沖縄との関係が前進したと、金をばら撒いた政府は評価した。
要するに、色んな不条理な経緯があっても、金をもらえると溜飲を下げるのである。県民への言い訳も立つ。まるで3文芝居である。
結果的に、抵抗すればするほど問題解決へのハードルが高くなり、いっぱいお金をもらえるのである。元々自民党時代に容認派であった仲井間は、普天間基地の移転を望んでいたかも怪しいものである。
日本の政治は、政治理念あるいは10年先の展望もないまま、現在を語るしか能力がなく自らをドジョウと言い放つ程度の、薄っぺらな存在になってしまっているのである。