そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

売れない福島のお米

2011-12-21 | 政治と金

NHKの日曜10時の番組ETVは、独自に放射能を追い続けている。この番組で、福島の米作りの原発事故を受けた、今年の農家の取り組みをやっていた。

結果的にほとんど同じ内容になる(農家は異なる)、NNNドキュメント(読売系の深夜番組)が放映されていた。

NHKのほうは、数戸がこれまで取り組んでいた米作り日本一を、昨年と一昨年受賞した農家である。極めて意欲的な農家ばかりであるが、セシュウムを取り除くためにさまざまなことをやっていた。55

ゼオライトで土壌中のセシュウムを吸着させる作業は、田植え前にやられていた。穂が膨らむ頃には、マラカイドグリーンを散布していた。セシュウムを、稲が取り込まないためである。

NNNドキュメントでも、後継者の子供たちを避難させ、除染に取り組んていた。水周りにも気を配っていた。

そしていずれの農家も、極めて低いセシュウムの値の米を秋に収穫した。収量も多かったと言うことである。

しかし売れないのである。NHKの番組のほうは、通信販売が主力であったが、例年の3割がやっと言う現実である。彼らの米は、周辺の農家より低かった。努力が報いられたのであろう。

ところが売れない。産地名が”福島”と書かれているだけで、消費者は敬遠するのである。マスコミは、政府の暫定基準値1キロあたり500ベクレルを超えたお米の報道を、間歇的に流す。

消費者は、個別の汚染について詳細を検討するわけではない。福島の米は買われないのである。皮肉なことに、今年の米はとても美味いし、収量が多いとのことである。

しかし米が売れないのである。農民の努力は報いられることはないのである。

原発事故は、TPPを促進させやすい米を輸入すればよい風潮を生みかねない。農家の努力は、原発事故の前には無力である。

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