9月19日に多くの問題を抱えながら、原子力ムラの馴れ合いを打破すべく発足した、原子力規制委員会である。原子力ムラの元々の住人である、田中俊一が委員長をすることが、この規制員会の行く先を暗示している。
田中俊一は、原子力委員会の委員長代行を務めた、れっきとした今日起きている恥ずかしいような、原発の多くの問題の責任者の一人である。原発反対のデモに必ず、この男の委員就任の撤回があるのも当然である。
発足早々、原子力規制員会は、しんぶん赤旗の記者の締め出しを打ち出した。記者会見で詰め寄られると、田中委員長はしどろもどろの返答で、なにを言っているのか判明できない内容を、言い続けた。
広報委員長の佐藤暁は、思想が偏向しているとする回答をしたが、記者に内容を聞かれると困って、政党の機関紙だからと言ってしまった。これでは、とても開かれた委員会、透明性を謳った規制員会の設立目的にもそぐわない。
困った佐藤は、記者会見の部屋が狭いのでお断りすると、言ってしまった。アホである。この佐藤暁という男の素性は、経産省出身で原子力安全・保安院の原子力安全広報課長だった、ことが解っている。
この男たちは、新たに発足した規制員会の趣旨にそぐわない、旧原子力ムラ出身者である。
原発が安全であることのためなら、反対者を封じ込める、事実は公表しない、経産省側の発言なら根拠がなくても賛成する、要するに原発稼働のためなら何でもやってきた連中である。
さすがに、赤旗を締め出したのは拙かったと思ったのか、今日それは撤回した。こんな程度の人間が、原子力規制委員会を運営するのである。
ほどなく彼らは、日本中の原発の稼働を容認することになるだろう。