そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

EUがノーベル平和賞受賞に思う

2012-10-13 | 政治と金

今年度のノーベル平和賞に、EU(ヨーロッパ連合)が選ばれた。ノーベル平和賞は、毎年驚かされる。中国は2年前の劉暁波氏の受賞に、異常と思われる拒否反応を示し本ブログでも批判した。

http://blog.goo.ne.jp/okai1179/d/20101008

今年は、文学賞なので、国を挙げて賛成している。勝手なものである。中国は体制のためなら、ダブルスタンダードもトリプルスタンダード、いやマルチスタンダードを用意している。Eu_gets_something_to_cheer_about
EUの受賞は歓迎されるべきであるが、おひざ元のヨーロッパ諸国の反応は極めて鈍いのが現状である。経済危機の最中にあり、出口が見えないためであろう。

ヨーロッパは文明を持ち国家を形成する過程で、間断なく戦争を繰り返してきた。有史以来と言ってよい、この地は戦争の絶えることのない地帯であった。

2度の世界大戦の発端になったドイツを抑え込むために、国家の統一を長期的な展望のもとに試みているのである。まずは通貨の統合ということで、国家の壁を低くする現段階にある。

ところが、通貨が統合されても、財政が国家ごとの運営であるために、共通通貨のユーロが暴落するのである。そのために、南の、のんびり国家のギリシャやイタリアやスペインが混乱に陥るのである。

ところが安くなったユーロのおかげで、ドイツは低価格の車などの輸出が好評という皮肉現象が起きる。

それでもこれはこれまで人類がまったく試みたことのない、壮大な計画である。通貨に次は財政の統合となるのかもしれないが、これは極めて難関である。

高い理念を達成するには、日本の平和憲法を導入するのも一つの方法である。戦争による無為の殺戮が繰り返されてきた地域であるからこその、挑戦である。行き先は極めて遠いが、これも願望も含めた励ましと解釈したい。


羅臼港

春誓い羅臼港