北海道の北見市の真ん中を国道39号線が走っています。国はこの国道のバイパスを考えたのです。北見市は、常呂川が作った盆地ですが、川は盆地の南東部に偏在しています。
この常呂川の東南部には、都会でありながら開発されることなく残された丘陵に、広葉樹林の綺麗な自然が残されています。こんな都会でありながら、オジロワシやハイタカやキツツキの仲間やモモンガが生息する、広葉樹の森になっています。
バブルの時代に、高速道路が国道39号線のバイパスのために計画されたのです。僅か11.3キロのための工事がなぜ必要なのか明快な説明がないまま、この残された丘陵を通り抜ける計画が、時を経て高規格道路として反対者の目先をかわすために浮上してきました。
現在は国道として、僅か11.3キロバイパスのための計画が進められています。430億円ほどの事業です。どんな事業でも欲しい自治体は、のどから手が出るほどの公共事業です。反対者は、地域では白い目で見られ、「国道」は着々と建設されています。
工事の一部を負担する北海道に対し、事業の差し止めと負担金の返済の訴訟を、北見の自然を守る会起こしました。「北見ももんが裁判」と呼びます。
私も原告団に名前を連ねています。その裁判の裁判官による、現地検証が26日あり参加してきました。
この事業が具体化したときに、旧国鉄の池北線のふるさと銀河線が廃線になりました。僅か年間1億円の赤字に耐えられないとして、廃線になったのです。高校生や老人など弱者が利用し地域に密着する、鉄道マニアに評判だった、ふるさと銀河線でした。
この無駄な事業を中止にすれば、ふるさと銀河線は430年間も経営できたはずです。事業内容が異なるため、わが国では比較検討の対象にすらなっていません。
ふるさと銀河線が走っていては、地域の土建屋さんが潤わないのです。税金は弱者のために使われることはなく、強者が為政者と結託してさらに肥大化するために使われるのです。
こうした自然を勝手に潰す、計画実行しか考えない土木事業が、日本中で行われています。民主党は、ダムや無駄な事業をなくす、「コンクリートから人へ」というスローガンは、土建屋に潰され、ももんがたちは居場所を追われるのです。
その金は我々の消費税で補うことになるのです。