そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

リトアニアの原発反対の意味するもの

2012-10-19 | マスコミ報道

バルト三国リトアニアで、原発建設についての国民投票がなされた。50%以下の投票率では無効になる。投票率は52%とかろうじて有効となり、63%の国民が建設反対に投票した。建設を契約していたのは、日本の日立製作所である。

リトアニアには、ソビエトが建設した、2基の原発があった。人口300万の国民にしてみれば、これで十分であった。

この2基は、チェルノブイリと同じ型で多くの問題を抱えていて、老朽によって04年と09年に廃炉が決まっている。

この選挙結果を単純に、反原発派の勝利と喜べない事情がある。リトアニアは現在、ロシアから電気を輸入している。それも、92%にもぼる。

リトアニアはせっかく、ソビエトの占領から脱して独立したにも係らず、原発を建設しなければ、エネルギーでロシアに牛耳られることになるのである。

今回ロシアの、福島原発事故を背景に、「日本の原発技術の未熟さ、危険である」とする、キャンペーンが功を奏したともいえる。拘束力がないとはいえ、国民投票の結果は重く受け止めなければならない。

リトアニアは、これから自国で電力をまかなう努力をしなければならない。が、当面はロシアから買わざるを得ない。原発が建設反対と喜べない事情がある。EU諸国の中でもとりわけ高価な電力を使っているリトアニアである。

原発の可否だけでない複雑な事情を、この国に見ることができる。

それにしても、ベトナムで原発を建設する東芝といい、リトアニアの日立といい、国内では身動きの取れない日本の原発業者が、海外で稼ぐ姿は納得ができない。

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