韓国慶尚北道の地方政府は24日、ソウル近郊の義城郡の養豚場で口蹄疫が発生したとの声明を発表した。口蹄疫の発生は約3年3か月ぶりとなる。
韓国では2010年から一年以上にわたって、口蹄疫が発生して国内の豚の3分の1が処分された。
韓国は国際獣疫事務局(OIE)から再指定を受けた、「ワクチン接種清浄国」の資格を僅か2カ月で失ったことになる。
日本のように、一段高いワクチン非接種国としての清浄国をめざしていたが、関係者の衝撃は大きい。
今年2月には、北朝鮮で口蹄疫が発生している。韓国のワクチンや消毒の支援は断っているが、北朝鮮の具合的な対応などは良く解っていない。今回の発生した口蹄疫と、前回との関係や北朝鮮との関連などはまだ解明されていない。
畜産はこの50年ほどで大きく変貌した。とりわけこの20年で、多くの都会の方が抱く、家畜としてのイメージが変わったのである。
近年の家畜は、主にアメリカから輸入された穀物、それも7割以上がトウモロコシを大量投与することにようになったのである。
特に、ニワトリは95%以上が輸入穀物を食べている。次に豚さらに牛へと給与量が増えてきた。ヒトと競合する食料の家畜への、大量給与は食料の価格上昇と、倫理的に問題がある。
穀物給与の理由は、大型化できるからである。安価な穀物を家畜に与えて、高価な畜産物(玉子・肉・乳)に変えてもらうためである。
こうして大型化した畜産は、鳥・豚インフルエンザや口蹄疫や豚の肺炎など、間断なく新しい病気を作り出すのであある。
原発と同じで、一見安価なように思えるが、事故による清浄化や予防に風評被害などを考えると、決して安価ではないのである。
安倍政権は攻める農業として、実態は大規模化を推進しているが、結局は高い代償を払うことになるのである。川内原発再稼働の論理と重なる、目先の利潤や大型化や安全神話が底辺にある。