アメリカとEU諸国が、ロシアの経済制裁に拍車をかけている。マレーシア航空機撃墜に関連した制裁であるが、巧みにロシアが犯人だと言っていない。武器を供与しているというのである。経済制裁は最も強硬なアメリカ主導である。
ところが、そのアメリカはイスラエルの自衛力強化のために、弾薬を供
与したと発表した。国益にかなった行為というのである。
さしずめ、安倍首相なら、「ボウエーソウビヒン」を移転したに過ぎないというのであろう。
その防衛装備品で、1300人を超す人たちが殺されている。が、これはロシアがウクライナ東部に軍事支援することと何ら変わらない。
アメリカのダブルスタンダードもいいところである。俺は構わんが、あいつは許さんでは、ヤクザの論理である。
ウクライナでは選挙で選ばれたヤヌコービッチ政権が、街頭デモで倒された。これにはアメリカが大きくかかわって、ロシア寄りの政権は打倒された。アメリカは民主主義を世界に広めようとしていたのではない
のか?選挙で選ばれた政権を批判して、クーデター後の政権を支持する?
プーチンは、現政権の正当性を認めていない。その政権がいくら悪行をしたところで、ウクライナの問題である。
イラクに攻め入った時も、アメリカは民主化などと言っていたが、非民主国家のサウジアラビアとは仲が良いし、エジプトは民主化後の革命政権を支持している。ダブルスタンダードもいいところである。
ウクライナの政情不安を煽ったのもアメリカであるし、イスラエルの暴力行為を容認し続けるのもアメリカである。
経済制裁の理由に、正義や民主主義など掲げる資格などアメリカにはない。マレーシア航空機は誰が撃ち落したかは定かではないが、政治的に最も利用しているのはアメリカである。
イスラエルは自衛の戦争をやっている。アメリカはそれを支援する。ロシアは、ウクライナ東部の地域を支援する。
いずれの国も、集団的自衛権を行使しているということになる。冷静に見れば、単に戦火を拡大しているに過ぎない。
愚かな戦争行為を言いくるめる言葉が、「集団的自衛権」である。