そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

ウナギとマグロそれにクジラも

2014-07-29 | 政治と金

国際自然保護連合(IUCN)が、ニホンウナギを絶滅危惧種に分類した。これで日本人はウナギが食べられなくなると、食い意地が張った観点からの捉え方は、この際見直していただきたい。
これまでにヨーロッパウナギがすでに、一ランク上の危惧種にPhoto_2指定されている。日本人が養殖の稚魚とした買い漁った結果である。そこでこれから多分、インドネシアなどのビカーラウナギを買い漁ることになるのだろう。そしてすべてが、いずれ絶滅危惧種になる。このままではである。

業者やメディアは、土用の丑の日にウナギが食べられなくなるぞと、脅し続ける報道に明け暮れる。そりゃおかしいゼ!
これは食文化の問題ではなく、環境問題なのである。
業者が煽ることで、日本人は一斉に土用の丑の日になると、ウナギを買い求める。バレンタインデーにチョコレートが飛ぶように売れる。なんでも半量はこの時期に売れるとのことである。これと同じで最早業者主導の、作られた食文化である。
幼いころ、川でウナギを夏になると必ず獲っていたものである。京都の郊外であるが、全国どこでも同じであったろう。
河畔林を伐採し、コンクリートで固め砂防ダムを無数に作り、農薬や家庭などの排水で汚し、道路などを舗装によって地下浸透水を減らすなどしたため、日本の河川は汚れた。

一方で豊かになったと金満国家になって日本は、めったに食べられなかったウナギを、養殖によって安価に食べることができるようになった。捕獲量や収量が減れば、食べるのを止めるか我慢するべきなのである。
マグロも同じである。養殖してまで食べようとすること自体、不自然である。マグロ養殖の実態を詳細には把握はしていないが、安価な餌を給与して高価なマグロにするのである。ここには多大な資本とエネルギーが投与される。しかし、確実に元の餌のカロリーの総量は、マグロになることで大きくダウンする。
これは近代の大型畜産も同じである。大量の穀物などを給与された、ニワトリや豚や牛は不健康になりながら、懸命に卵や肉等に変換するのであるが、植物などが得たカロリーは大きくダウンする、資源として大きなロス、損失になる。大型畜産は養殖と言ってよい形態である。

食文化で言えば、クジラも同じである。欧米が乱獲した結果で減少した事実が背景にあるとしても、もうすでに声高に鯨食文化を唱えるほど、日本には定着していない。
クジラを世界の隅まで出かけて、非難されながらも、調査捕鯨と称する商業捕鯨を、そろそろ見直す時期にかかっているのではないか。

今回のニホンウナギの絶滅危惧種指定を真摯に捉え、我儘な食文化を盾に取ることなく、資源問題・環境問題として受け入れるべきと考える。

コメント (3)
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