そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

加計学園の獣医学科の開設の認可を取り消すべきである

2017-06-20 | 安倍晋三
また一つ文科省側から新たな文書が出てきた。萩生田内閣官房副長官との折衝の経過を示したものである。日時も出所も明確である。萩生田は相も変わらず事実に反するとコメントを発表している。総理からの指示はなったというのであるが、そんなことは関係ない。彼方は安倍晋三の最側近である。大変お世話になっている、加計学園様に特段の気を遣うことは人間として当然のことである。その行為自体は、なにも恥ずべきことではない。彼方が内閣官房副長官という政権のトップにいなければの話である。その前に、公務員として職務の公正を欠くものであるが。
内閣府や政権のトップの人間は、文書が出てくれば言葉で反論する愚かな役所である。重要な決定の交渉に関する経過についても文書を残していない(嘘である)奇怪な役所である。
前川政務次官は、加計学園は4条件も満たしていないと会見で述べている。閣議決定された事項を、一内閣府官房副長官が一蹴したのである。その四条件とは以下である。

石破四条件 
1、現在の提案主体による既存獣医師養成でない構想が具体化し、
2、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき具体的需要が明らかになり、かつ、
3、既存の大学・学部では対応困難な場合には、
4、近年の獣医師需要動向も考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討を行う

1と2については、実績もあり具体的な技術開発などを提案している京都産業大学はクリアーしている。提案内容も提出されているのに対して、誤字脱字(人のこと言えないが)のわずか二枚の加計学園からの提案書にはほとんど記載されていない。また、3については1に関連して、現存の獣医大学で十分対応できる現状にあると、獣医師会が判断している。4については本ブログで何度の書いているが、獣医師は十分足りている。昨日、安倍晋三が謝るふりをした記者会見で、公務員の獣医師が足りないと強調している。この答えは極めて簡単明瞭である。公務員獣医師の給与は格段に安いからである。北海道の例でいえば、財政負担の軽減から10年前の2割は安くなっている。既婚者女性の再就職者が目立つようになっている。公務員に十分な給与と、仕事にやりがいを与えればすぐに解決できる問題である。
獣医学生は卒業しても大学の所在地近辺に多少は多く残り就職する傾向にあるが、全国に散らばる傾向にある。旧聞で恐縮であるが私の獣医学科のクラスは、30数名中北海道出身者は数名であった。今も全国に散らばっている。獣医師の特殊性からこうした傾向にあり、元々地域性は薄い。
獣医師を増やせば、ペット診療の獣医師が都会に溢れる。十分足りている獣医師を現状年間950名ほどが国家試験に合格しているが、160名の加計学園の定員は16%もの増員になる。国公立の4校分超の人員をどのように確保できるか教育できるか、多くの獣医大学は疑問を持っている。
即ち、加計学園も京都産業大学も石破4条件を満たしてはいないのである。
僅か4万人に満たない獣医師業界に対して、「ガンバンキセイ」などと称してドリルを振るうなどは、単なる弱い者いじめとしか映らない。岩盤など存在しない。ましてやアベノミクスの成長戦略とは何の関係もない、零細事業へのいたぶりにしか見えない。
加計学園の獣医学科開設問題は、安倍晋三のお友達への配慮・利益誘導が生んだ極めて不適切な事件としか言いようがない。
加計学園の獣医学科開設認可は取り消すべきである。

コメント (11)
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