単純に、極めて単純に、幼いころから、21世紀は平和の世紀になると信じていた。20世紀が戦争の世紀であったことを教訓にし、21世紀は科学が人々の幸福に貢献し、互いを慈しみあう、そんな社会を人間は築くと信じていた。
それを私の頭に叩き込んだのは、手塚治虫と湯川秀樹である。鉄腕アトムの”アトム”とは、アトミック即ち原子力に由来している。手塚治虫も、原子力の平和利用を信じていた。吉本隆明すら原子力に妄想を抱いていた。
手塚治虫が設定したアトムの誕生から15年も経ったが、一向に平和になるどころか、人々は国家や宗教や経済を盾に互いを威嚇し合い、けん制する。武力が新たな武力を生むことになるのを、国益や宗教的教示を理由に武力を増強する。
情報が極端に増えてその拡散速度が高まった以外、20世紀を戦争の世紀にした人類の愚かな行為は何ら教訓化されず、また同じ道を歩み始める。
科学は驚異的な進歩を遂げているが、戦に貢献する。科学は人々の欲望に利用されるようになったのである。
同郷の日本初のノーベル賞受賞者湯川秀樹は、平和憲法を心から歓迎した。自らも関わっていた原子力爆弾を冷戦の核兵器開発競争に貢献していることを、科学者として悔やみ、晩年は科学者仲間で反原子力の活動をしている。科学は平和の側に置かなければ、意味がない。
20世紀の戦争の教訓から、国家間の戦争は殆ど影を潜め、宣戦布告をする戦争はなくなった。しかし、地域間紛争や宗教戦争は絶え間なく発生している。
21世紀は、局地紛争とテロの際限ない戦争が絶えることがない。アメリカは世界の軍事力の半部を持つと言われているが、中国が空軍では上回ったいわれている。海軍と地上軍が間もなく追いつくと言われる。遅れてきた中国に軍縮の考えなどない。
科学は発展したが、その有効利用は権力者の欲望の傍らに置かれたままである。21世紀はテロと紛争の世紀のままでいるのだろうか。
それを私の頭に叩き込んだのは、手塚治虫と湯川秀樹である。鉄腕アトムの”アトム”とは、アトミック即ち原子力に由来している。手塚治虫も、原子力の平和利用を信じていた。吉本隆明すら原子力に妄想を抱いていた。
手塚治虫が設定したアトムの誕生から15年も経ったが、一向に平和になるどころか、人々は国家や宗教や経済を盾に互いを威嚇し合い、けん制する。武力が新たな武力を生むことになるのを、国益や宗教的教示を理由に武力を増強する。
情報が極端に増えてその拡散速度が高まった以外、20世紀を戦争の世紀にした人類の愚かな行為は何ら教訓化されず、また同じ道を歩み始める。
科学は驚異的な進歩を遂げているが、戦に貢献する。科学は人々の欲望に利用されるようになったのである。
同郷の日本初のノーベル賞受賞者湯川秀樹は、平和憲法を心から歓迎した。自らも関わっていた原子力爆弾を冷戦の核兵器開発競争に貢献していることを、科学者として悔やみ、晩年は科学者仲間で反原子力の活動をしている。科学は平和の側に置かなければ、意味がない。
20世紀の戦争の教訓から、国家間の戦争は殆ど影を潜め、宣戦布告をする戦争はなくなった。しかし、地域間紛争や宗教戦争は絶え間なく発生している。
21世紀は、局地紛争とテロの際限ない戦争が絶えることがない。アメリカは世界の軍事力の半部を持つと言われているが、中国が空軍では上回ったいわれている。海軍と地上軍が間もなく追いつくと言われる。遅れてきた中国に軍縮の考えなどない。
科学は発展したが、その有効利用は権力者の欲望の傍らに置かれたままである。21世紀はテロと紛争の世紀のままでいるのだろうか。