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問題は海洋はの流れである。日本には恒常的に西風が吹いている。障害物のない海洋への吹き流れと、海流による拡散は恐ろしいものがある。短期間で日本の面積を大きく上回っている。急遽日本に駆けつけた原子力空母ドナルドレーガンは、トモダチ作戦として救助に駆けつけた。このトモダチ作戦は、多くのアメリカ兵を被ばくさせることになってしまった。正確な情報を開示していればこんなことにはならなかった。幾人かの兵士が訴訟をしている。
漁師たちは汚染海域で漁をしても売ることができない。漁は行われているが、試験操業とされ基準値以下であっても売ることができない。そもそも買い手がいない。かつて常盤モノと築地で高値が付けられた魚が売れないのである。今なお、出荷停止である。
直接的な被害にだけに納得しない人たちの集団提訴が行われ、「原発以前の生業(なりわい)を返せ」という訴えが先日認められた勝訴している。生業を奪われた福島原発被害者たちの声が生々しい。
「希望が無くなることは空しいことです」「メルトダウンした原発は存在しているのです」「20ミリシーベルト以下は受忍せよに反対する」「保育園児たちには、基準値以下でも地元のものは食べさせられない」「つらい、悔しい、これは大人がしでかしたことなのです」「田んぼは、百姓の仕事場だかんね」と汚染野良で手を休めない農民。
「風評被害という言葉は、何でもないのにあるかのように言われることであり、東京電力を擁護するものである。私たちは実被害を被っている。実際に放射性物質を浴びている。風評被害などではない」
ある壮年の男性は、「被害者だけで終わりたくはない」と、太陽光温水器や発電機それに、山の木を切って薪にして暖を取り灰は山に集めて埋め、自ら除染をして新たな生活を取り戻そうとしている。
原発は科学的な汚染や物理的な損害だけではなく、人々から生活を奪ったこと、希望を奪ったこと、生業を奪ったことが裁判で認められたことは意義深い。
しかし、黒袋の汚染物質が毎日のように、『仮置き場』に増えてゆく。だのに未だに、原発をベースロード電源と評価し輸出までする、安倍晋三とその取り巻きを許すことができない。