そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

トランプの偏り外交がパレスチナを一層混迷にする

2018-03-31 | 中東

パレスチナ暫定自治区のガザ地区で昨日(30日)、パレスチナ難民の抗議デモにイスラエル軍が実弾を発砲して死傷者が出た。これ受けて、国連の安全保障理事会で緊急会合が開かれ、イスラエルの発砲に対して非難する声明はを検討したが、イスラエル政府を支持するトランプのアメリカは、デモ隊が不法だなどとする反対し決議されなかった。
デモは1948年のイスラエル建国年の後の政策で、故郷を追われたパレスチナ人の帰還を訴えるのが目的で、イスラエル軍の推計で約3万人が参加していた。デモの一部がイスラエルとの境界付近に近づいたところ、イスラエル軍が実弾を発砲して17人が死亡し、1400人以上が重軽傷を負った。
3月30日はかつてイスラエルによる土地収用に抗議して、パレスチナ側に死者が出たことを悼む「土地の日」である。デモ隊はイスラエル建国により離散を強いられた「ナクバ(大惨事)」と称する記念日の5月中旬までデモを続けると表明している。
国連の安全保障理事会はメンバー国のクウェートの要請で緊急の会合が公開で開かれ、国連のゼリホウン事務次長補は「発砲は最後の手段であり、経緯を調査すべきだ」と述べて、国連として、イスラエル軍の行為を独立した機関によって調査すべきだという提案がされた。イギリス、フランス、ロシアからイスラエル軍の発砲に対して懸念する発言が相次ぎ、スウェーデンは厳しく非難した。
アメリカは「悪い集団が抗議を隠れみのにして暴力を振るっている」と述べて、抗議デモの側に問題があったと示唆し、イスラエルを非難する声明は決議されることがなかった。
トランプはエルサレムをイスラエルの首都と認定し、イスラエル建国70年にあたる今年5月14日に、在イスラエル米大使館をテルアビブからエルサレムに移転すると表明している。
トランプはパレスチナ難民を支援する国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への拠出金の一部の支払いの凍結している。ガザでは食料や医療などが不足し劣悪な状態が続
いている。トランプのこうした一連の政策が、パレスチナの生活環境の悪化を招き、抗議行動が拡大する要因になっている。トランプは、中東の和平など望んでいない。アメリカ国内でトランプがどんな悪行をしようとも、支援の姿勢を崩さない30%のユダヤ系支持者と白人至上主義者のための、パフォーマンスに御執心なだけなのである。
コメント (1)
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