そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

腑に落ちないホルムズ湾のタンカー爆破事件

2019-06-17 | 中東

ホルムズ湾でタンカーが二隻攻撃を受けたが、どこから見ても奇妙な事件である。
〇使われた機雷の問題
攻撃に使われた武器であるが、吸着機雷(リムペットマイン)であったことが解っている。通常は喫水線下(海面以下)の船体に付着させてるのであるが、ナフサに火をつけたいなら大成功するはずの海面下を選ぶはずである。撃沈が目的ではなかったといえる。
ところが乗組員は飛来物があったとの証言している。飛来物の衝撃痕もない。周辺に艦船などの確認もされていないので、この証言に疑問が残る。
吸着機雷は航行中に取り付けるのは無理で、停泊地でしかも素人目にもわかる場所につけている。

〇瞬時のアメリカのイランがやったという発表
吸着機雷の一発が不発であったが、それを外すイランの作業を撮った動画を根拠に、即日アメリカがイラン犯人説を発表した。不思議なのは、アメリカはこの夜間の作業を暗視カメラで即座に撮ることができたのかである。
イランが自国領土内の事故処理をしたからといって、それが犯人説へつながるのは無理がある。上の写真はイランが消化するさまである。領土内の事故対策である。

〇犯人像と目的
爆撃犯人は次の三つしかない。イラン、アメリカ、その他の過激分子である。イランは核合意にみられるように、また安倍晋三に返答したように、核開発は望んでいない。経済制裁をといてもらいたいのである。トランプになってから予測を超える事態が中東で起きている。イランがトランプをさらに刺激することをするとは考えにくい。
アメリカはこれまででっち上げの危機を数多くねつ造してきた。それらの多くは次に大きな攻撃を仕掛ける口実にするためであった。今回はそれがない。イラン犯人説はアメリカの望むところではあるが、経済制裁が効果を上げている現在意味を持たない。トランプの中東政策は単純にイスラエル擁護、サウジアラビアを怒らせないだけのことといえる。攻撃もしょぼい。アメリカ説は非現実的といえる。
その他の過激分子なら、タンカーの撃沈を狙ったはずである。穏健派のローハニに対する不満分子の可能性は残る。アメリカとイラン政権を同時に困らせることができるからである。しかし、この効果も極めて低いといえる。
親アメリカかイスラエル支持の集団か雇われ者の可能性もある。

〇安倍晋三の訪問時を狙ったか
ワシントンポスト紙が報じたように、「外交の初心者」安倍晋三はイランに何しに行ったか分からない。イランでも評価は低く、爆破事件に何かのメッセージ性があるとも思えない。タンカーの国籍を特定した行為とも思えない。偶然の一致としか思えない。
今回の奇妙な爆破事件はどの国も大きな反応はなく、いずれ忘れられる妙な事件である。。


羅臼港

春誓い羅臼港