地方は一方的に疲弊する。毎年14万人もの人口が増える東京圏は、地方から人口を吸収して行くである。増加人口の9割は15~29才の若者たちである。増えるのは学生が多いことは理解できるが、出入りがあるので増加人口はそうした若者が残ったともいえるし、就職口が東京圏に集中している結果である。
資産が10億ドル以上の企業は東京が613でダントツに多い。ニューヨークが212、ロンドンが193、4位が大阪で174、パリが168となっている。日本の中だけではなく、世界的にも2位のニューヨークの3倍にもなり、異常に高いことがわかる。
人口の増加も異常である。1年で14万人増加とは地方の中核都市を一つ吸収していることになる。その結果、東京首都圏の人口は3775万人と、これも世界的に異常な集中が起きているといえる。
上の表は首都圏の人口の推移であるが、安倍晋三が政権をとってからこの右肩上がりで急速に増えていることがわかる。下の表は大企業の税制の優遇で税収が停滞するのに反して、企業の経常利益は見事に高くなっている。これこそがアベノミクスの本態である。
政府は東京一極集中を緩和させることは、政権として諦めるとの結論を昨日だした。東京一極集中は、地方との格差そのものである。経済効率最優先、それも金融資本主義といわれるの経済政策と大資本への優遇税制による、巨大資本の肥満政策である。
金融資本主義と無縁の一次産業は切り捨てられ、虚業が政権の支援を受けて徘徊する時代は景気動向が良好と判断され、巨大資本が更に肥大化する。そして政権はアベノミクスは成功している喧伝する。
東京一極集中は安倍一強の権力構造に酷似する。単一の価値観と指標で動く単色化は危険極まりない。政治と異なり放棄された田舎の文化や伝統、何よりも一次産業の放棄が東京一極集中の本態である。これこそが、アベノミクスの目指すところである。