
6月9日、香港で103万人が参加した「逃亡犯条例」反対デモは、1997年の香港の中国返還後最大規模のデモである。10日未明、数百人が香港立法会の前で警察と衝突し負傷者が発生、100人以上が拘束された。
香港市民の7分の1が参加したこのデモは刑事事件の容疑者を中国本土に引き渡すことを可能にする香港政府の「逃亡犯条例」改正案への反対である。いずれ政治犯も対象になるか、別件でしょっ引かれることになる。
中国政府は例によって、海外の反体制勢力であると批判し、今回はアメリカが干渉していると中国メディアが批判している。人民日報の姉妹紙である環境時報は、「香港の改正案反対派が3月と5月にアメリカを訪れ、3月にナンシー・ペロシ下院議長、5月にはポンペオ国務長官に会い、その後ポンペオ氏が改正案を攻撃声明を出している」と報じている。米中貿易摩擦に新たな要素が加わったことになる。
香港政府は、中国など犯罪者引き渡し条約を締結していない国家にも引き渡しを可能にする改正案を推進しており、立法会(国会)が12日に改正案を採決する。
返還後20年を超えたが、一国二制度は中国が返還に不安を抱く香港市民に与えた、その場を取り繕う言葉でしかない。中国共産党が容認するはずなどない理念である。急速な経済成長によってそれが早まったといえる。本土に民主化が波及するのを最も恐れる中国共産党が妥協するとは思えない。
それにしても100万人のデモは圧倒的である。いかにも中国らしくはあるが、この声を平気で潰す中国共産党は恐怖の政権といえる。他国のことは言えないが。
