底なしに広がるロシアとウクライナの戦争である。いまだに世界は、このロシアのウクライナ侵略戦争に呼称を付けていない。この戦争の特異性を示している。
8カ月を越えたが情報が錯綜して、私たちは正確な情報の評価を持っていない。我々は圧倒的に西側からの情報や評価が多く、ロシア側より脚色はされたと思われる反論、辻褄があわない言い分も少なくはない。
圧倒的にプーチンの国際法違反や人道的悪行が目立つが、原発内の事故やクリミア大橋の爆破はロシアにも言い分があるかに思える。
キーウィの侵略に失敗して転戦したロシアが、東部四州の占拠した経過につい
て、西側のメディアはほとんど黙していた。このことは、プーチンを活気づかせたに違いない。ところが旧首都のハリキュウの奪還、ウクライナの反転攻勢報道はこれに比べて大きすぎると思われる報道が続いている。戦果は思ったほど上がっていない。
不思議に思えるのが、ロシアのミサイルは枯渇しているというのであったが、クリミア大橋の破壊の報復にほぼ半数を打ち落とされても、プーチンはミサイルをうち続けている。イランにお願いしたドローンは機能して、ウクライナの発電施設などインフラを破壊している。宣戦布告していないのであるが、ロシアによる国際法に抵触する行為といえる。
俄か仕立てのロシア兵には技術も経験もモチベーションもなく、連戦連敗すると思われたが、意外と善戦しているようである。少なくとも四州はまだロシアの手の中いある。
汚い爆弾と言われる(プーチンが名付けた)放射性廃棄物をばら撒く爆弾をウクライナが用意していて、それをロシアがやったと主張するだろうというのである。お笑いであるがこれで、汚い爆弾が使われてもどっちがやったかわからなくなる。この類のことがこの戦争では無数に起きている。
経済制裁の効果は、ロシアのような貧国では思ったほどの効果が上がっては思えない。むしろ天然ガスを止められたEU諸国の方が大騒ぎとなっている。
プーチンはいくら落としても国内の支持率は高い。テロが起きない限り大統領の座を失うことはないだろう。
ウクライナを支援する西側は、支援疲れに陥っている。世界大戦のドイツや日本のように、敗戦という結果がこの戦争を終わらすことはない。休戦か停戦しかないが、どこかで手打ちをするしかないが、。第二次世界大戦後最大の戦争になったこの戦争には仲介者がいない。中国にはその気はないだろうし、トルコのエルドアンは役不足であるし、国連がどこまでやれるかもわからない。
ゼレンスキーとプーチンのメンツを立て言い分を聞き入れ、和平なり停戦にこぎつける仲介者の杭も人物も現在では見当たらない。それがこの戦争の最大の問題である。出口のない戦争はどこまでも続くのか。