民主党の海江田万里代表は16日、盛岡市で行った両院議員総会で、枝野幸男幹事長、岡田克也代表代行、福山哲郎政調会長、川端達夫国対委員長などの新執行部の人事案を提示し、表面上は何の異議もなく了承された。
海江田代表以外の執行部中枢は全員が交代した。政権時代に党の役員や、閣僚などの経験者らを多く起用した。挙党体制を演出したようではあるが、中身を伴うものではない。
最も重要な政治課題である、野党再編と安全保障について党としての見解も方針も打ち出せない民主党である。
野党再編は、維新の党などと連携したい前原などが浮足立って、党人事からは全く干された形である。玄葉や前原たちのグループは、党を動かせないのであるから、出ればいいのであるがその勇気がない。
安倍政権が打ち出した、集団的自衛権容認についても、野党再編を志向するグループと重ねることができる。安倍政権の打ち出した、明らかな憲法違反である、集団的自衛権容認を認める、前原・玄葉・永島などを抱えているからである。
ようやく出した、民主党の方針も「閣議決定」は認めるわけにいかないというものである。認めているのと同じである。
現在日本が抱える最も大きな問題を、野党第一党の民主党が、方針すら打ち出せないことが、安倍政権の暴走につながっている。
最大野党の民主党は、野党の役割を果たしていないと言える。世論調査でも、かつては30%もあった支持率も、5%辺りを彷徨っているだけである。
安倍政権の支持も、「ほかの党よりはましだから」というのが、このところもっとも大きな理由となっている。
鮮度を欠いた人事を発表した民主党ではあるが、国民の期待を大きく削いだ、ぼけたような人選となっている。これでは民主党の再興は程遠いと言える。