そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

経済制裁とは何だろう

2007-10-04 | 官僚

ミャンマーの民主化がまた遠のいた。仏教国の人たちは温厚で従順ある。この国の軍事政権は、武力制圧がきわめて高いPolice_raid_myanmar_monasteries04効果を持っていることを、10年前に学んでいる。今回は仏教徒たちが主流の運動のようであったが、前回と同様に、武力弾圧が功を奏するようである。

9月26~30日に死者200名、逮捕者が2000名を超えたようである。10年前には、この20倍ほどの死者を出してまで政権を維持した軍事政権は、この国の支配に多くのことを学んでいる。一般社会の 隅々にまで、軍事政権の影響が及ぶシステムを作り上げている。

民主化に対する弾圧に抗議の意味で「経済制裁」が、取りざたされている。経済制裁とは何だろう? これほどまで、ミャンマー社会の隅々にまで影響力を誇示する政権に、経済制裁がどんな意味があるPolice_raid_myanmar_monasteries01 のだろう。

中国の後ろ盾と、それに続くロシアがいる限り、経済制裁を行ったところで効果などでてこない。もし、仮に意味があるような影響が出た場合でも、そのことで苦しむのは為政者ではなく最下層の人たちである。

北朝鮮にしても同じことが言える。「対話と圧力」の圧力とは、結局は経済制裁である。日本が懸命に「マンギョンボン号」を立ち入り禁止にしても、中国からたんまり資材が入ってくるのである。日本にシジミが売れなくても、一旦どこかの国に預ければ、多少の厄介が残ってもそれが通常になってしまう。

Myanmar_issues_curfew_order_in_yangさらに、巧妙に立ち回る北朝鮮は、韓国との交流やアメリカからの制裁をかわしながら、日本の孤立をほぼ成功させている。食料が不足したところで、政府高官には関係ない話である。犠牲になるのは一般国民である。

それでも災害が起きれば、人道支援をやるのだから、経済制裁は特定の国家に向けられるのではなく、国内の人たちに政府は黙っていませんよという程度の意味しかないだろう。

ミャンマーの軍事政権も、北朝鮮の金日成独裁国家にしても、四方八方を閉ざされた外交などやっていない。どこかに必ず出口を持っている。経済制裁のための「保険」のようなものである。そのような安全弁を外すような効力をもつ力は、それぞれの国の国民にしかないのであるが、この二国の国民たちは、なんと従順なことであろうか。中国もそう大差はない現状にある。 二言目には出てくる、経済制裁を見直す時期になっているのではないだろうか。

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