そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

平和憲法を擁護した日野原さん大往生

2017-07-20 | 平和憲法

100歳を超えても現役医師として活躍していた日野原重明・聖路加国際病院名誉院長が亡くなった。延命治療を施さず105歳の大往生である。よど号ハイジャックの乗員として命を拾ったとして、その後の医師としての生き方に大きく影響を与えることとなった。
日本初の人間ドッグを開設したり、血圧計は医療品としての枠をなずさせ一般家庭でも購入できるようにしたり、終末期治療の充実を提唱するなどした。地下鉄サリン事件発生時には病院をすぐさま開放する迅速な対応するなど、常に患者の側に立った姿勢を持ち続けたことで知られている。2005年には文化勲章を受章している。
晩年には自らの聖路加病院などでの戦争体験を通して、平和へのメッセージも送っている。それらは、2015年に刊行された『戦争といのちと聖路加国際病院ものがたり』(小学館)を発刊し、「武器には武器、暴力には暴力で応じる悪循環を断ち切り、戦争ではなく話し合いで物事を解決する、根強い精神が必要」「知性こそ人間の授かった宝である」「憎い相手を許す、その勇気で戦いを終わらす事が出来る」と、高い理念を掲げ戦争の無用を訴えおられた。
安倍晋三の改憲の動きに対して危機感を抱き、2014年に『十代の君たちへ』ーぜひ読んで欲しい憲法の本ー(冨山房インターナショナル)を発刊し、平和の大切さと改憲に強く反対を表明している。2004年の憲法調査会公聴会に公述人として参加し、「押しつけ憲法論」を否定、憲法は私たち国民の合意のもとで制定されたものと訴えている。
戦争を体験した人たちの多くは、思想信条は異なっていても戦争はあってはならないものと強く否定りている。日野原氏のような戦争の悲惨さと不条理を体験した人たちがどんどんいなくなっている。北朝鮮が攻めてきたらどうするとか、自衛のためには戦争も必要と訴える人たちが、こうした戦争体験者の声も届かなくなっている。この100年、自衛以外の戦争など起きていないことを知るべきである。
日野原重明氏の平和へのメッセージは、安倍晋三一派には届くべくもない。日野原氏のご冥福を祈り、合掌。

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1 コメント

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Unknown (タンケ)
2017-07-21 02:39:16
戦争の経験がなく、もし戦争になっても自身らはまず戦争に行かないだけではなく、どこか安全な場所に逃げ隠れするであろう者達が戦争法決めたり軍備拡張するのだから、あまりに不正で恐ろしい話である。

緊張や危機を煽り、軍需産業や関係の一部利害者らを儲けさせたり世の中をコントロールするという魂胆が根底にあるのだろうが、そんな金があれば非武力での平和達成や貧困解消に使えばよいのにと思うが、それはそれほども困難なことなのだろうか。尤も、軍需産業は大変な巨額が動くから旨みの規模も違い過ぎるということなのだろうけれど。

人を殺すための仕組みや産業が大手振る世界をおかしいとか狂っていると思わない人々が寧ろ普通で数も多いという人間社会は狂っている。だからこそ、愛を歌い続けたJ.レノンやM. ジャクソンらは皮肉にも殺されてしまった、そんな邪悪な方法で稼ぎ続けたい者らによってである。
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