アメリカのオバマ大統領が、ノーベル平和賞を受賞した。何とも奇異に思われる決定ではないか。確かに、オバマは核兵器の廃絶を訴えている。イラクからの撤退もなんとかやろうとはして いる。ブッシュの一国主義から、国際協調路線の転換は評価されいい。
しかしながら、今年1月に就任したばかりである。あちこちでの演説には傾聴ない値するものがある。しかし、いまだ実績はないと言ってよい。世界各国では、アメリカがらみの紛争は絶えまなく続いている。その最高責任者である。
考えてみると、すっかりウソがばれてしまっている”非核三原則”の提唱でノーベル平和賞を受賞した、日本の佐藤栄作がいる。良心的に解釈すると、世界が核兵器のない世界を希求している証しだと言えなくもない。それにしても、唐突な感じは否めない。
オバマがノーベル平和賞に値すかどうかはこれからの行動力と、実績あるいは結果にある。オバマがノーベル平和賞に値すると自負するならば、イラクは当然のこと増派を検討中のアフガニスタンから撤退するべきである。
このひと月の間、パキスタン北部とアフガニスタンでは、連日ニュースにならないほどの戦闘や 自爆テロが相次いでいる。オバマが仕掛けたわけではない。ブッシュが一国主義を貫きとおした結果である。しかし、これを止められるのも、今はオバマしかいない。
国内的に医療制度改革などで、支持率の急落するオバマにとっては有難い受賞である。受賞を喜ぶだけでなく、ノーベル平和賞に値する行動を、今後もとっていただきたいものである。