そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

政府は尖閣に領土問題が存在し、深刻であることを認めるべきである

2012-10-18 | 政治と金

元外交官の孫崎亨氏の、「世界」の『尖閣問題 日本の誤解』をPhoto読んだ。孫崎氏はこのところ、著書「戦後史の正体」などで評判の人物である。

本ブログで何度か尖閣については意見を書いたが、孫崎氏の論評と概ね重なる。日中はこれまで、二度にわたり尖閣を棚上げしている。

これは、日本の実効支配を認めるという、中国側からの意思表示である。先送りして、日本との経済関係の実利を採ったとみるべきである。

ところが、外務官僚は「尖閣に領土問題は存在しない」という、政治家が聞いたら涙をだして喜びそうな言葉を用いて、この問題を伏せてきたのである。姿勢としては判らなくもないが、棚上げすることを、田中角栄も園田直も認めたうえで、交渉が進んだ経過を無視している。

「領土問題は日本側に存在しない」ならまだしも、相手を認めないようでは解決の糸口すら見つけることができない。

「尖閣には日中間に深刻な領土問題が存在し、せっかく棚上げしていたのに、今でも中国人を民度が低いとして”シナ人”と蔑称する石原慎太郎が、これまでの経緯、外交の礼を無視して火をつけた」と、認めるべきである。

そこで止む無く更に無知な野田が、中国の国家主席のメンツを潰すことになるとは知らずに、そのままにしますからと国有化したのである。

このところ海洋で元気な中国に対して、近隣諸国は「南シナ海の行動宣言」を2011年4月に締結している。そこには、 ・平和的な手段による解決 ・領有権争いを紛糾拡大さる行動を自制する、とある。

今回の日中両国の行動はこれらに反する。野田は国有化行為がそうした意味を持つことを認め、日本は領土問題に前向きになり、この規範に沿った行動をとるべきである。

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1 コメント

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 “Might is right”は主張されるように“Power is r... (紫錦唐松)
2012-10-19 21:43:51
 “Might is right”は主張されるように“Power is right”と同義と思います。その意味で言えば、被爆国日本は核非合法化を求める国連声明署名を拒否した姿は「虎の威を借る狐」の国であり、まったく情けありません。一方で“力、勢力、権力”の中身は何だろうと考えてしまいます。

 国の予算執行に責任ある国会議員すら東日本大震災の第二次補正予算(自公案の災害に強い国づくり、我が国産業の基盤強化を多数で可決したとはいえ)に対し、他人事のように批判し合う姿に醜さを感じます。

 子どもの頃、民主主義は血を流した代償としてアメリカから与えられたと説明されたことがありました。日本人が“right and might”を理解できる日が来ることを願っています。
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