北海道そうや地区にある、日本原子力開発機能・幌延深地層研究センターが高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の地層処分の研究施設を、現在よりも150メートル深く500メートルまで掘削する案を唐突に出してきた。昨年11月のことである。2020年当初の幌延町に同意を得て、研究機関を9年延長を決めたばかりであるが、この時には掘削の延長についての話は全くなかったのにである。
官僚の常とう手段である。不意打ちであるが、ちょろっと出して機を見てすぐ引っ込めるような姿勢で、いつか金を背景に、賛同する行政側の出てくるのを待つのである。上図は、幌延深地層研究センターのサイトのものである。350メートルまで書いてはいるが、その先に白い線で坑道がしっかりと描かれている。案そのものは当初からあったようである。
核のゴミなど、地震大国の日本の何処にも安全な処分場などあるわけでもない。幌延は1981年に町が原発誘致したことに始まる。その後廃棄物処理施設の要請と、それに伴う反対運動を懐柔しながら、研究センターとして命脈をつないでいる。幌延深地層センターはここまで掘削する間に幾度も断層にあって出水があったりもしている。
500メートルの掘削案が唐突に出されたのは、先ずは2028年度以降の再延長への布石である。そしてさらには、いずれは最終処分場にしたいのである。研究所としての施設は、最終処分場にはしないという前提での研究センターのはずである。フランスではちゃっかり最終処分場にしているが、外にどんな企みを持って、掘削をやり続けるのかあるのだ。
放射能が安全なレベルになるまで10万年かかる。
生活環境に漏れ出すまで相当時間がかかるので問題はなかろう。
地下深く埋めて蓋をすれば管理する必要はない。安全になる頃には国家の形は無いかもしれないが、安全性から言えば埋めた場所を忘れても良いと言うのが地下廃棄の考え方だと言ってる。
全くに恐ろしく無責任な考え方である。
地層処分に前向きな人たちの考え方の基本は地下深くに埋めて忘れたいのである。