日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

峡谷に風が吹いたか・・・

2008-05-13 17:13:40 | 私の雑感あれこれ
息子3人と母親が久方ぶりに黒部峡谷の宇奈月温泉一泊を楽しみました。
一同に会するのは本当に久しぶり。
叔父の葬儀で集まったとき以来か。

母親は介添えが必要なこともあって、ヨメの私も同行(ヨメという意識はないものの、位置づけのためこう表記)。

総勢5人。
部屋は和室とツインの洋室。
寝るときは、どういう割り振りにしようか。
母はベットがよい。
ベットの部屋は、トイレの入口に段差がある。
和室は、トイレはバリアフリーだけれど、夜中に布団から起き上がるのが大変か。

で、迷った挙句、
母は洋室がいいだろうと判断し、私が隣のベットを使うことになった。
段差があるトイレ…。

私は、熟睡して、お母さんがトイレに起きても気づかないですよ。

それは、僕でも同じです。
大丈夫です。気にしないで寝ていてください。
と、お兄さん。

それでも、転ばれると大変だから、起こしてくださいね。
と私。

ウン、起こすときは、こうやるから。
姑は、平然と私を杖で叩く真似。

そうか、私は杖で叩いてもいい存在。
果たして、息子だったら、杖で叩く真似をするだろうか。
一瞬、そう思いがよぎったけれど、
ああ、お母さんにとっては、ヨメはこんな位置づけ、なのかと再納得するのみ。

なにも言い返すことなく、お母さんを介添えして二人でお風呂へ。
お風呂から戻って、洋室に行くか、もう一度息子の顔が揃った和室でひとときを楽しむかと、尋ねると、
息子たちの顔が見たい、とお母さん。

で、和室へ入ると、
笑っちゃいました。
だって、敷布団用のマットレスをありったけ積んで、簡易ベットが出来上がっていたのです。
・・・すぐ数えました。
マットレス合計7枚でした。
隣に並んだ二つの布団は、もちろんマットレスなし。
押し入れにあったのも、全部積み上げたそうです。

お母さん、これでベットのように起き上がりやすいか、試してみて。
お兄さんは、名案が功を奏すか、気にしています。

お母さんはマイペース。
タバコをふかして、なかなか応じてくれません。

一見ベットと高さが同じでも、マットレスを重ねたのは沈み具合が大丈夫かどうか、試してみてよ、お母さん・・・
と、お兄さんは何度も声をかけます。

なんと、配慮に富んだ良心的な兄弟なのでしょう。
てっきり自分が洋室に同室して、夜中に杖でつつかれるものと、覚悟はしていたのに…。

後から、夫が耳打ちして私に伝えました。
今回は、キミがお風呂にいれたり、歩くとき手を貸したりしてずっと面倒を見てくれて助かった。その上、寝る時までキミに押し付けると、ヨメさんがおふくろの面倒を見るものだ、という前例を作ることになり、それはよくない。

僕がオフクロと同室してもよかった。
でも、そうするとキミが二人の義理の男兄弟と3人部屋となり、困るだろう。
そう言ったら、兄貴がこの方法を考え出したんだ。
と。

聡明な3兄弟。
誰も責めず、押し付けず、相手を思い、先を思う。

ずっと、ずっと以前に、おばあちゃんが言ったことを思い出した。
ほかにだーれも、文句を言う人いないでしょう・・・。

おばあちゃん、おとうさん、風になって、見に来ましたか。
お母さんが、3人の息子を一同に眺められて、何度も「極楽みたい」と言って、たいそう喜びましたよー。

良いことをした時は、気分は晴れます。
私も、ひとつふたつ、イヤな言葉を放られても、大丈夫になりました。

3人の息子たちは、素知らぬふりして配慮してくれる、優れものたちですから。
きっと、お父さんとおばあさんが風になって見に来てくれていたはずですよね。







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五月の北陸行き

2008-05-13 12:54:49 | 私の雑感あれこれ
土曜の朝、東海北陸自動車道を通って、北陸へ向かった。
窓の外の万緑の山々は、まさしく東山魁夷。
なーんだ、東山魁夷って、写実そのものじゃないの…、なーんて生意気にこころの中でブツクサ。心底では傾倒、敬意をもって眺めることしばしばの癖に…→自分。
――東山魁夷の構図の取り方、色調、私は大好きなのです。
でも、目の前に迫る樹木を絵画目線で見てしまう私は、ホラホラここでキャンバスを立てれば・・・、そんなシーンがしばしばの光景でした。

車窓は丁寧に御母衣ダム(みほろダム)の光景を堪能できたし、感動屋の私は、やっぱり行き着くのです、日本の自然って美しいなー、と。
・・・ですよね、安倍さん(笑)。

そして、車は北陸路。
早苗の水田の、これまた見事なこと。
耕地整理された水田が整然と水をたたえ、曇り空を映しています。
幾枚も幾枚もの水田が、どの一枚も間違うことなく、山辺から海側へ向かって、微妙に高さが調整されていて、高い所から、次の田んぼへ、そして次の田んぼへと、水を送っているのでしょう。
その仕組みに整うまでの人々の知恵の出し合い、語り合いがあって、いま整然とした田が目の前にあるのかと思うと、すごい宝があるのだと思うのです。

そういえば、流水客土ってのも、遠い昔、学校で教えられた記憶があります。
子供の時は、タダ覚えるだけの知識だったけれど、今、こうして見事な水田を眺めると、先人の知恵が稲作を豊かにするために、生活を豊かにするためにと、邁進してきたのだと、つくづく思います。

傍観者だから、従事者の大変さはわからないのだけれど、水田の美しさに癒されました。
あっ、中景、近景の万緑の山々、遠景の雪山アルプス連峰にも、もちろん癒されましたけれど。


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