日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

災害報道をみながら、

2008-05-19 06:24:43 | 社会問題
ミャンマーのサイクロンに続いて、四川省での大地震。
テレビでは相次ぐ災害報道をしています。
今朝の朝日新聞の朝刊では四川省の死者3万2000人超すとあります。神戸地震の記憶がある私には、その地震は、さらに何倍も大きい犠牲者が出ている大規模なものだったと、画面を眺めています。
一方、ミャンマーの方は外国の救援援助者の受入れを極度に制限し、被害状況も、ある日突然倍増したりして、被害状況認識にも、国民救助にも熱心さは感じられず、それよりも大事なこと(選挙)の後回しになっていると思ってしまいます。

中国の場合も、日本からの援助申込みに対し、救援要請があったのは、一呼吸後。
日本人レスキュー部部隊は準備して、要請を待っていました。
救援は時間との勝負、だったのに、ここでも少し残念です。

それでも、中国の場合は、格段の改善です。
10年ほど前の8月、北京に旅行していました。
そのとき、ガイドさんが、中国の新聞記事を紹介してくださいました。
トルコで大地震が起きた記事が載っていると。
そして、以前私達の国でも被災者30万人(?)規模の大地震がありました。
でも、その地震の情報は国外には出しませんでした。
国内の情報が世界に知られることを避けたかったから。
数年前に地震があったとき、事情は少し変化して、このときは海外にも報道しました。
トルコ地震が即座に世界各国に報道され、各国からの救援活動が受け入れられる新聞記事を、自分の国の国情とまだ行ったことのない外国の国情とは別物として眺めている彼でした。

そんな説明を受けた記憶がまだ耳に残っているものだから、今回の連日の報道は
中国という国の、更なる変化だ、とつくづく思います。

まだまだ行方不明者も多い中、これからも現地は大変です。
今日から、3日間聖火リレーを休むという対応もするようです。
中国が、四川省で被害にあっている人たちの悲しみを共有しようとする意思を示した現われ。
かつて、毛沢東が各地を視察に行くときは、行く先々は豊作の地ばかりだったといいます。
→だから、毛沢東の政策は大成功を収めている、という筋書きになるのです。
広い中国ですから、どんな災害や冷害が、日照りがあっても、どこかが快調な実りを得ているところがあり、毛主席には、良いところばかりの報告がなされていた、とのこと。
温家宝首相がすぐに現地に入り、数日後には胡金濤主席も住民を見舞っています。隔世の感です。

オリンピック景気に酔おうとしていた中国に、地震は思いがけない暗雲であり、被害克服は予想外の課題です。
それでも、両方をこなしていかなければならないのが現実。
被害を受けられた方々には、まだまだ困難な状況が続いているのでしょうが、力を持ってきた中国政府が文明国としての対応をすることは、世界の民度がぐっとアップしていくのだろうな、と思います。だって、中国は世界人口の6分の1はいるのですから。
それに比べると、ミャンマーは悲惨です。
情報を漏らさなかった頃の、中国に近いのでしょうか。
ミャンマーに隣接しているラオスでも、テレビの天気情報は昨日の天気を報道すると聞きました。天気予報というものがないのです。
ミャンマーでも、近づくサイクロンの情報が正しくは伝えられていなかったとのこと。
なんと、情報が伝わらない、伝えようとする意思がないということに、絶望の気配を感じます。
それでも、国連はじめ各国は、ミャンマーから流れてくる情報を伝えています。
完全ではなくても、被害情報を知ろうとしている、救援する意思はある、この情報を周りの国々は発信し続けています。
人って、捨てたモンじゃない。 (大仰な言い方ですね→自分)
年月がかかっても、必ず、改善の方に向かっていく、と信じています。

民主的であること、民主国家であることの大切さ、つくづく思います。

※ トルコ地震があったのは、1999年の8月。
その時のガイドさん、以前にもブログで書いたことがあるけれど、北京大学国際政治学科卒でした。
大学4年で、卒論も書き上げた時に、天安門事件があり、毎日デモに参加。そのこともあって、決まっていた日本の東北大学留学もボツになってしまったとか。
まだまだ、一般中国人が観光旅行で国外に出ることもできなかったのです。
彼は、どんなに海外で学びたかったか…。
同行の普通の平和な日本人観光客は、えっ、中国人は、外国へ出ることがそんなに困難?って、理解不能のようでした。
現在、日本の各地で、中国からの観光客に出合います。
本当に、そのオープンさは格段の前進だと思っています。


コメント (2)
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