日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

オランダ紀行(司馬遼太郎著「街道をゆく」)を読んでいる。

2011-05-30 06:56:18 | 
またまた、私の学習読書です。苦笑

オランダは鎖国の江戸時代に唯一日本が交流を続けていた外国(正確には清とも交易があった)。「そんなこと知っている」のは、殆どの日本人だろうけれど、徳川初期に、カソリックの国スペイン、ポルトガルを封じて、プロテスタントの国オランダ一国としたことが、今日の日本に、こんな形でつながっている、という風に語られると、ひとつひとつ納得させられている。
オランダという国は、市民革命を起こしたイギリスやフランスに先んじて、16世紀後半には市民国家を作り上げていたから、今日の社会の先駆者的存在という。

スペイン領から独立し、イギリスとも戦火を交えながらの歴史は、旅行会社から送られてくる海外旅行の案内冊子には見えてこないオランダでありヨーロッパです。
あの、間口が狭くて階層を増やした建物の形は、間口の広さで課税されたから、節税対策としてあの形になった、なんて説かれると、17世紀のオランダ人の経済感覚がなーんだ一緒だね、と声をかけたくなったりする。
京都の間口狭くて奥に長いウナギの寝床のような町屋の形も同事情なのかもしれない。

読みやすい紀行文です。こんな形で歴史を知ることができるのは、幸いです。
いつの時代も富まんと努め、侵略や占領を繰り返し、人を虐げ、そんなことをしてきた史実を知ることは、その続きの時代を生きている自分たちの立ち居地を知るためには、大切なことだと、つくづく思います。

コメント
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