ヴェネツィアの教会の石段で発見された女性の死体。
カトリックの戒律があるはずなのに、司祭姿で殺されたその女性。
観光客が始終訪れる観光の都であるヴェネツィア。
華やかそうに見える表とは裏腹に、常に水没の危機にあるその街は、イタリアの二つの警察制度によって守られているのだが、それにも関わらず黒いマフィアの影から抜け出すことが出来ない。そんなイタリアで殺された女性の捜査をすることになった女性大尉。
また米軍の基地があるイタリア。その基地に赴任した女性少尉は赴任初日にある記録の公開を求める依頼を受ける。
まったく関連がなさそうに見えるこの二人だが、お互いに捜査を続けるうちにその糸は繋がっていく。
イタリアというその土地が抱える様々な事情。歴史。一見宗教上の問題があるのかと思われた事件は、捜査を進めていくうちに少しずつ少しずつ広がりを見せる。まるで街中にある運河の水が流れるかのようにそれは最初の入口からは思いもよらぬところに広がりを見せていくのだ。
イタリアの特異性をあっさりと説明しつつ、更に様々な登場人物のせりふだけで彼らのバックグラウンドと趣味趣向が分かるので非常に読みやすい。読みやすくとも必要以上に読者にこびていないのも凄い。ボスニア問題など門外漢の私にも分かり易く描かれている。
そんな話は一つの事件の解決を見ても、決して流れが止まることはない。真実を全部知ることは解決になるのか、真実を知ることが善なのか、色々な謎を残しつつ話はまだまだ進んでいくのだ。
****
ハヤカワミステリの60周年記念作品。。。。ポケミス故やや値段は高いが非常に読み応えあり。
カトリックの戒律があるはずなのに、司祭姿で殺されたその女性。
観光客が始終訪れる観光の都であるヴェネツィア。
華やかそうに見える表とは裏腹に、常に水没の危機にあるその街は、イタリアの二つの警察制度によって守られているのだが、それにも関わらず黒いマフィアの影から抜け出すことが出来ない。そんなイタリアで殺された女性の捜査をすることになった女性大尉。
また米軍の基地があるイタリア。その基地に赴任した女性少尉は赴任初日にある記録の公開を求める依頼を受ける。
まったく関連がなさそうに見えるこの二人だが、お互いに捜査を続けるうちにその糸は繋がっていく。
イタリアというその土地が抱える様々な事情。歴史。一見宗教上の問題があるのかと思われた事件は、捜査を進めていくうちに少しずつ少しずつ広がりを見せる。まるで街中にある運河の水が流れるかのようにそれは最初の入口からは思いもよらぬところに広がりを見せていくのだ。
イタリアの特異性をあっさりと説明しつつ、更に様々な登場人物のせりふだけで彼らのバックグラウンドと趣味趣向が分かるので非常に読みやすい。読みやすくとも必要以上に読者にこびていないのも凄い。ボスニア問題など門外漢の私にも分かり易く描かれている。
そんな話は一つの事件の解決を見ても、決して流れが止まることはない。真実を全部知ることは解決になるのか、真実を知ることが善なのか、色々な謎を残しつつ話はまだまだ進んでいくのだ。
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ハヤカワミステリの60周年記念作品。。。。ポケミス故やや値段は高いが非常に読み応えあり。
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クリエーター情報なし | |
早川書房 |