家内工業でドラックを作っている男は、工場の事故で家族を亡くし、自分自身も警察に捕まる。
中国ではもちろん極刑だ。しかしどうしても捕まりたくない男は捜査に協力すると警察に申し出るのだ。
どの顔をして警察と取引するのか・・・という香港出身の男をルイス・クー(古天楽)が演じ、とにかく麻薬組織を捕まえたい中国の公安警部を演じるのがスン・ホンレイ。
舞台が香港でなく本土、そして本土の警官が麻薬組織を追いかけるということで、今までのジョニー・トー映画とは全然雰囲気が違う。
ネオンがチカチカする大通りを一本入った路地裏の暗さがジョニー・トー映画の夜だったはずなのに、この映画の夜は本当に薄暗い。チカチカと安っぽく光るネオンはどこにもなく、広い広い中国本土は暗い夜は、やっぱり暗いのだ。そして中国の公安はどこまでも非情。警部率いる公安チームに遊びの部分はなく、とにかくミッションは悪い奴を捕まえる。それだけだ。
とにかく追いかける。ルイス・クー演じる男に捜査を手伝わせるが、別にそこで男同士の友情が芽生えるわけでもない。今までだったら、ここでちょっとは男同士の友情が生まれる余地もあっただろう。この映画にはそんなところがない。これは中国側にちっとも遊びの部分がないからだと思われる。
香港からやってくる悪党7人組が出てくるとやや雰囲気が変わる。悪党と言ってもどこか愛嬌がある。そして見慣れた顔も多いので見ている私もやや和む。
しかし、私が一番この映画で感心したのは、麻薬工場を営む兄弟二人のエピソード。ルイス・クー演じる男の別の面が見られるこの場面は、それだけでなく思わぬアクションシーンを見せてくれる。
ラストシーンの誰が誰だか分からない徹底的にやる場面もそれはそれでいいが、私は麻薬工場を経営してはいてもごくごく普通の市民に思えた二人のアクションシーンに驚く。バックに白いハトでも飛んでいるのではと思う銃撃戦。。。。
ジョニー・トーの映画でありながら本土が舞台というのも不思議な感じだったし、この麻薬工場のアクションシーンは予想を裏切る以外なものだった。
****
終わった後に映画監督の松江哲明氏のトークショーあり。
白いパーカーを着た監督の話は、はかなりマニアック。
動きの少ないアクションシーンの話、食事シーンの印象的な撮り方、そして狭い香港のさらに狭いところにこだわるジョニー・トーの映画作り等、監督の話はあちこちに飛んで面白かったが・・・・
(もし、もしチャンスがあったら@ジョニー・トー映画における唯一無二のミューズ @林雪についてなんて話も聴きたいものだ。)
今回の映画の場合は、中国の役者にはきっちり芝居をさせ、常連の香港の役者に対しては引き算の演出という話も面白かった。
林雪さんは、望遠カメラを手にし、7人組の頭脳担当を楽しそうに演じていた。
**
監督は「ジョニー・トー=アクションと思いがちだが、ダイエットラブやマッスルモンクなんてびっくりするような映画がある。」と全編日本が舞台のダイエットラブや、展開の読めないマッスルモンクの話をしていた。確かに両方ともジョニー・トーの裏の顔かもしれない。そんな裏の顔は両方ともアンディ・ラウだなとか、ダイエットラブは公開当時、香港で見たな・・・などと懐かしいことをいろいろ思う。
中国ではもちろん極刑だ。しかしどうしても捕まりたくない男は捜査に協力すると警察に申し出るのだ。
どの顔をして警察と取引するのか・・・という香港出身の男をルイス・クー(古天楽)が演じ、とにかく麻薬組織を捕まえたい中国の公安警部を演じるのがスン・ホンレイ。
舞台が香港でなく本土、そして本土の警官が麻薬組織を追いかけるということで、今までのジョニー・トー映画とは全然雰囲気が違う。
ネオンがチカチカする大通りを一本入った路地裏の暗さがジョニー・トー映画の夜だったはずなのに、この映画の夜は本当に薄暗い。チカチカと安っぽく光るネオンはどこにもなく、広い広い中国本土は暗い夜は、やっぱり暗いのだ。そして中国の公安はどこまでも非情。警部率いる公安チームに遊びの部分はなく、とにかくミッションは悪い奴を捕まえる。それだけだ。
とにかく追いかける。ルイス・クー演じる男に捜査を手伝わせるが、別にそこで男同士の友情が芽生えるわけでもない。今までだったら、ここでちょっとは男同士の友情が生まれる余地もあっただろう。この映画にはそんなところがない。これは中国側にちっとも遊びの部分がないからだと思われる。
香港からやってくる悪党7人組が出てくるとやや雰囲気が変わる。悪党と言ってもどこか愛嬌がある。そして見慣れた顔も多いので見ている私もやや和む。
しかし、私が一番この映画で感心したのは、麻薬工場を営む兄弟二人のエピソード。ルイス・クー演じる男の別の面が見られるこの場面は、それだけでなく思わぬアクションシーンを見せてくれる。
ラストシーンの誰が誰だか分からない徹底的にやる場面もそれはそれでいいが、私は麻薬工場を経営してはいてもごくごく普通の市民に思えた二人のアクションシーンに驚く。バックに白いハトでも飛んでいるのではと思う銃撃戦。。。。
ジョニー・トーの映画でありながら本土が舞台というのも不思議な感じだったし、この麻薬工場のアクションシーンは予想を裏切る以外なものだった。
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終わった後に映画監督の松江哲明氏のトークショーあり。
白いパーカーを着た監督の話は、はかなりマニアック。
動きの少ないアクションシーンの話、食事シーンの印象的な撮り方、そして狭い香港のさらに狭いところにこだわるジョニー・トーの映画作り等、監督の話はあちこちに飛んで面白かったが・・・・
(もし、もしチャンスがあったら@ジョニー・トー映画における唯一無二のミューズ @林雪についてなんて話も聴きたいものだ。)
今回の映画の場合は、中国の役者にはきっちり芝居をさせ、常連の香港の役者に対しては引き算の演出という話も面白かった。
林雪さんは、望遠カメラを手にし、7人組の頭脳担当を楽しそうに演じていた。
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監督は「ジョニー・トー=アクションと思いがちだが、ダイエットラブやマッスルモンクなんてびっくりするような映画がある。」と全編日本が舞台のダイエットラブや、展開の読めないマッスルモンクの話をしていた。確かに両方ともジョニー・トーの裏の顔かもしれない。そんな裏の顔は両方ともアンディ・ラウだなとか、ダイエットラブは公開当時、香港で見たな・・・などと懐かしいことをいろいろ思う。
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