前科5犯のカンホが皆が勘違いしたことから判事になり仕事をどんどんやるというのは、もっと「ばれたらどうしよう・・・」というようなハラハラドキドキしたものがあるのかと思ったら、これが彼を全面的に信頼し、サポートするソウンのおかげでなんだか別のドキドキが生まれているではないか・・・
本当の判事であるスホと違い、荒んだ生活の中で生きる知恵を身につけたと思われるカンホの一言一言がソウンにとっては逆に新鮮に映るようだ。(裁判の間、席を立って被告や原告のそばに行く判事など今まで見たことがないと、驚く彼女・・・)
相手が自分を信頼してくれるというのは、自信になるようだし、そもそも前科5犯のカンホにはもう失うものなどないのだ。
偽判事に慣れたカンホの次の事件は、飲酒運転で妊婦が亡くなった事件。
結婚7年目にして始めての妊娠を喜んでいた妊婦は、若い女性の飲酒運転によって命を落としてしまう。弁護士に大金を払った彼女は、裁判で目薬の涙を流す。そんな彼女は初犯ということで、執行猶予付きの判決が下りるが、夫は納得しない。彼女の後を付回し、相変わらず夜な夜な酒を飲み、遊びまわる彼女の日常を写真に取る。
「判事さんは妻の名前を、被害者である彼女の名前を知っていますか?僕はやっと出来た子どもと妻を失くしたのに、彼女は初犯ということで許される。僕が撮った写真は尾行して撮影したものなので、証拠にもならないんです。でも絶対彼女は反省なんてしていない・・・」
妻を亡くした夫の訴えに、ショックを受けるカンホが訪ねる場所はソウンのところだけだ。そんなカンホを優しく受け入れる彼女。翌朝「僕が判事で申し訳なかった。彼女が提出した反省文は弁護士が代筆したものです。代筆は不法行為ではないけれど、彼女は裁判で【自分で書いた】と嘘をつきました。再審の際にはそこを争点にすればいい思います」と、裁判所の前に立ち続ける夫に話しかけるカンホの姿を見て、益々彼を信頼するようになるソウン・・・・
カンホにとっても自分を拒否せずに受け入れてくれるソウンの存在はどんどん大きくなっていく。実の母は書類上だけだといいながらも、自分を親戚の養子にしたのだ。(だから兄のスホが兄弟が居ないといったのもあながち嘘ではない)そんな家族から見捨てられた自分を優しく受け入れてくれた彼女、判事の自分の仕事は全部彼女が肩代わりしてくれているのだ。感謝しないわけがない。
更に、周りの皆が自分を判事だと信じていることで、彼もどんどん仕事に前向きになっているのが凄い。
視覚障害者の娘がジェットコースターに乗れなかったのは差別だと訴える母の裁判のためにわざわざ遊園地に出向くカンホ・・・・そんなカンホを信じ、高所恐怖症でありながら事件の再現に協力しようとする彼女・・・
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テレビキャスターであるスホの彼女は、インタビューまでしたのに弟のカンホがスホのふりをしているとはちっとも気づいていない。カンホとソウンが仲がいいことを心配する前に、そちらを心配した方がいいのだが。。。出来るキャスターのはずなのに、身を隠しているスホが「僕には入れ墨はない・・・」とヒントまで教えてくれているのに、それさえも気づかないのだ。