爆弾処理のスペシャリストである警察官が身分を隠し、犯罪者組織に潜入。
上手くいくかと思われた潜入捜査は一部は成功、一部は失敗だった。銀行強盗は防げなかったが、主犯格の弟を逮捕することが出来たのだ。
主犯格の男にとっては、家族である弟を奪われたことは何よりも憎むべきことだった。
更に家族のつぎに親しい存在である仲間として潜入捜査官を受け入れたにも関わらず、結局彼に裏切られてしまったことが、主犯格の男の復讐心をとんでもなく燃え上がらせる・・・
警察官として身を挺して市民を守ろうとする主人公の行動も印象的だが、それよりも主犯格の男の行動が印象的だ。とにかく弟を救い出し、裏切った男に復讐をする。その一心で、九龍と香港島を結ぶ海底トンネルを爆破しようとするのだから・・・・
仲間に受け入れたにも関わらず裏切られた怒りの強さに驚くとともに、弟までもが心変わりするという・・・仲間に裏切られた思いがあそこまで熱く燃え上がるものなのか・・・・
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追記:
「裏切られた」と怒る犯罪グループのボスの様子を見ながら、中国人の対人関係の距離感について以前聞いた話を思い出した。
本人、自家人(家族、親戚)そし家族並みに親しい自己人・・・ここまでが非常に固い絆で結ばれており、それ以外はただの知り合いの熟人、そして何も知らない外人なのだという。この自己人のグループに入ることは非常に難しいが、ここに入れば家族同様なのだという話を思い出し、犯罪グループの一員になるということは、この自己人グループの一員になることなんだと考えれば、ボスの怒りが半端ない状況だったことも少し理解出来る。