週の金曜日、会社帰りに東京国立近代美術館で開かれている@高畑勲展に行って来た。
「雪ちゃんという名前のヤギを飼う」というのが小学生の頃の夢だった私には、アルプスの少女ハイジは永遠のアニメだ。
窓から吹き込んだ雪が布団のようになって目覚めるというのも素敵だし、とろけるチーズをのせたパンも本当に美味しそうだった。ロッテンマイヤー先生の厳しい教えが理解できずに夢遊病になりながらも、おばあさんのために白いパンを洋服ダンスに隠したハイジの思いを、小学生ながらも感じ取ろうとしていたと思う。
オープニングの映像が流れるのを見ながら、日曜日の夜にテレビの前でハイジの物語を見ていた頃の思いが蘇る。
大人になってから、こんな風に数々の絵コンテや制作過程の資料を見られたのも不思議なのだが、やっぱり私にとってはあの時代に見ていたアニメの姿に勝るものはない。アルプスの山をバックにブランコに乗るハイジを見ながら、自分もどこかに飛んでいきそうな思いだった小学生の頃。
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イタリアのジェノバからアルゼンチンに渡り、アメディオを肩に乗せてポンチョに夜明けの風をはらませて、母を探すマルコの物語もハイジの物語に負けない位、大好きだった。ジェノバの街角の様子を描いたスケッチがアニメとは思えないほど緻密にきっちり描かれていたことを知り、感動する。