警察学校も卒業し、警察官としての一歩を踏み出そうとしている時、運転中に事故を起こして同乗していた弟を亡くし、自身も失明する女性。
そんな女性が、盲導犬を連れて歩く夜道で、若い女性の拉致事件と思われる現場に遭遇する。
視覚を失った変わりに聴覚と嗅覚が研ぎ澄まされた女性は、車の後部シートから聞こえるわずかな声に耳を傾けるも、運転する男性はそんな彼女を無視して車を発進するのだ。
偶然事故現場に居合わせたスケボー少年の元に足を運び、事件解決の糸口を探そうとする彼女。
失明した女性を演じる吉岡里帆が感じさせる緊張感が半端ない。拉致事件の前は自分の犯した罪の重さにおびえ絶えず緊張し、拉致事件に遭遇した後は、見えない犯人を捕まえるべく、残された全感覚と自分の知識を生かしわずかな証拠も見逃さまいと、ひと時も緊張を解こうとはしない。
今までドラマで見せていた姿とは全く違う。求められるものを的確に表現しようとする集中力が見ている方にも伝わってくる。
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韓国映画のリメイクとのことだが、キム・ハヌル主演の映画は残念なことに未見で比較することは出来ず。ただ、とても面白いサスペンスで比較する必要などないかもしれない。
見えない目撃者 (小学館文庫) | |
豊田 美加 | |
小学館 |